最高の一瞬『他の選手とは違う動き_ウサイン・ボルト(陸上)』

 

2015年に中国の北京で行われた世界陸上です。この大会でウサイン・ボルト選手が100m、200m、4×100mリレーと3種目に出るという情報があったので、この大会期間中に、ボルト選手のそのスタートからフィニッシュに至るまでのストーリーを、組写真で撮れないかという思いがあり、トライしました。

 

これはいつもスタート時にやる、天に向かって指をさして集中するところです。

 

ボルト選手の場合、トラックに入ってくるまでは結構リラックスしていて、観客へのアピールとかもあって余裕がある感じです。スタート前にジャージを脱いだりしますが、それを受け取るスタッフとも、軽いノリでちょっと話したりとか。

 

ただ、本当にこのあたりのタイミングで何かスイッチが入るんですね。雰囲気が一気に変わります。

 

他の選手は同じようなタイミングの動きでスタートの準備をするんですが、ボルト選手は1人あえて違う動きをする感じがあります。そこでそんな他の選手とのズレを狙うために、あえて前の選手もぼかして入れた感じです。そして奥にもやっぱり他の選手は写っていません。

 

その1人だけ違う動きをしてる感じの画を撮りたくて、こういう構図にしました。

 

 

▼田中伸弥(たなか・しんや)

1977年東京都生まれ。
成安造形大学芸術学部芸術学科写真コース卒業。
日本ジャーナリスト専門学校卒業。
JCII主催水谷塾6期生。

大学でアートとしての写真を学び、その後専門学校でスポーツ写真の基礎を学ぶ。水谷塾にて更にスポーツ写真の知識や技術を身に付け、現在はフリーランスのフォトグラファーとしてサッカーを中心にジャンルを問わず様々なスポーツを撮影している。

ANSP(日本スポーツ写真協会)会員
AJPS(日本スポーツプレス協会)会員
AIPS(国際スポーツプレス協会)会員

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