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“スペイン旋風”に乗りバレステロスに並ぶ快挙へ J・ラームは母国勢2人目となるクラレットジャグに照準

スペイン旋風に乗って、ジョン・ラームが母国にクラレットジャグを持ち帰る(撮影:GettyImages)

<全英オープン 事前情報◇18日◇ロイヤル・リバプールGC(イングランド)◇7383ヤード・パー71>

先日閉幕したテニスの“全英オープン”、ウィンブルドン選手権男子単を制したのは、20歳のカルロス・アルカラスだった。アルカラスはラファエル・ナダルに続くスペイン次世代のスターとして進境著しい超逸材だ。

ゴルフ界に目を戻すと、今季もジョン・ラームが好調を維持している。脂の乗った28歳は、昨今の様々なスポーツで躍進の目立つ同郷のアスリートたちの勢いそのままに、スペイン出身の選手としてはセベ・バレステロス以来2人目となるクラレット・ジャグに照準を合わせている。

今シーズンの米PGAツアーでは「マスターズ」を含む4勝を挙げ、メジャー2冠。3つ目のメジャーを目指す優勝の有力候補は今週木曜日、第151回全英オープンゴルフ選手権で英国を代表する人気選手、ローリー・マキロイ(北アイルランド)とジャスティン・ローズ(イングランド)と同組でティオフする。

常々、「自分のアイドルはバレステロス」と公言してきたラーム。オーガスタでのサクセスを手に入れた直後も「この勝利をセベに捧げる」と話していた。敬愛して止まない今は亡き母国のスーパースターが、自身にとって3度目、そして結果的に最後となった全英のトロフィーを掲げたのは1988年のこと。以来、34年間にわたり、スペインからチャンピオンゴルファー・オブ・ザ・イヤーは誕生していない。

しかしウィンブルドンでのアルカラスのパフォーマンスを目の当たりにしたラームは、今週の日曜日、イングランドの地で2週連続となるスペイン人による戴冠を目指す。

「もし優勝できれば、信じられない気持ちになるだろう。その理由はたくさんある」。モチベーションの一つが、同胞のアスリートたちの存在だ。昨今のスペイン人アスリートの活躍について、ラームは「なぜか分からない」と率直に答えた。一方で、ロールモデルの存在が重要なのかもしれないという自身の見解も示している。

「ラファ(ナダル)が活躍し始めたころ、彼が目指すテニスのトッププロたちがいた。そこからラファはさらに大成していく。カルロスは、そんなラファの姿を見ながら育ったはずだ。単純なことではないが、間近にそんな存在があれば、次のスターになりたいとシンクロしやすい。現在のスペイン人選手たちの活躍は、我々の世代の前に活躍したセベや、ほかのトップアスリートのおかげと言ってもいいだろう」

そんなラームには、前述のとおり、バレステロスという最高のロールモデルがいる。

「セベ以来のスペイン人選手としての全英制覇はとても特別なもの。これまでにも、スペインは数多くの優秀なゴルファーが輩出してきたが、誰もそれを成しえていないことには驚いている」

2年前のセントジョージズでは、一時は優勝争いに顔を出したものの結果的には3位。だが今回は様々なモチベーションとともに、好調のままに世界最古のメジャーに挑むことになる。

「優勝できれば光栄だし、メジャー3冠が叶えば、(バレステロスに続いて)2人目の偉業でもある」。ラームは目を輝かせた。

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