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ジャンボ尾崎が“照れ笑い”で明かした弟子たちへの思い「かわいいよ、孫が一生懸命頑張ってるんだから」

“孫”たちの活躍に大きな期待をかけている(撮影:佐々木啓)

自らが主宰するゴルフアカデミーの選手選考会『ジャンボ尾崎セレクションISPS』に臨んだジャンボこと尾崎将司が、その会場で“まな弟子たち”への思いや期待を口にした。

今年もプロを目指す中学3年~高校3年の男女合わせて19人が参加。「トレーニングのやり方を知らずに、球を打つことが練習だと思っている子が多い。うちに来れば練習の仕方を教えるけど、なかなか期待に応えてくれないんだよ。スコアが出ないと手をあげてしまう。続く人間ははっきりした目標があるけど、今は夢で終わる子が多い。夢見る夢子さんじゃないけどな」など、ジャンボは現在のジュニア世代の選手に、さらなる発奮を求めている。

2018年に開かれたアカデミーでは、そんな“夢”を実現した選手も多く輩出している。1期生の西郷真央、佐久間朱莉らが、それに該当する。もちろん“長女”の原英莉花もアカデミー出身ではないが、今もジャンボのもとで腕を磨くひとりだ。

自身のツアー復帰への意思については、「ないない。ほとんどありません。この年齢になって何をしろっていうんだよ」と消極的。だがその反面、弟子たちとの毎日は充実している。先月24日に77歳の誕生日を迎えた際には、佐久間がSNSに誕生会の様子を投稿したが、そこで満面の笑みを浮かべるジャンボの姿が印象的だった。

それについて話を振ると、少し照れくさそうにしながらも、「気分は悪くないよ。かわいいもん。孫みたいなもんだろ? 孫が一生懸命頑張ってるんだから」という本音もこぼれてくる。そして「俺は頑張っている姿を見るのが好きなの。だから“テレテレしている奴”は怒鳴り散らかすんだ。今は、すぐ訴えられそうだな」と続けて、豪快に笑った。さらに、女子ツアーで活躍する弟子ひとりひとりについても語る。

原については、「性格が分からない。ダメだったのに、いきなり女子OPで優勝したり、いきなりスコア誤記したり。ついていけない、ヘヘヘ」と冗談も交えつつ、2年前に本人に伝えた『2日連続で5アンダーを出す』という注文の実現を願っている。女子の一番弟子とあって、「そんなに難しいことじゃない。それができないと本当の意味の自信は出てこない。頑張ろうとしている姿は見ているし、その気持ちは一番強い。早くスコーンと抜けてもらいたいくらいだ」と思い入れはひとしおだ。

今年から米国を主戦場にする西郷には、「スポーツに浮き沈みはつきもの。その時に自分をどう見つめて、直せるか。去年良くなったけど、それも反省から良くなってきている」という言葉を送る。師匠のもとで極度の不振から立ち直ったことに安心したような表情も浮かべる。

「すべてが中堅」と評する佐久間には、『早くツアー優勝を』という思いを抱いている。「ゴルフは中学時代からうまかったけど、プロの世界に入るとそうはいかない。俺としては早く優勝してもらいたい。プレッシャーや、後半になって体力が落ち、うまくいかなかったのが去年」と振り返り、現在は素振りなどで体力アップをはかることを命じている。最後に「期待をしてあげたい」とポツリとこぼす。

“面白い存在”と考えているのが、3年目のシーズンを迎える小林夢果だ。昨年、下部のステップ・アップ・ツアーで初優勝を挙げると、最終QTでも8位になり、今季のレギュラーツアー前半戦出場権を手にしている。「あいつも楽しみだけど、ちょっと頭脳明晰ではないからな」とここでもニヤリとするが、「運動能力はある。バレーボールのアタッカーくらいのパワーもあるし、一番飛ぶんじゃないか? すごい瞬発力だよ」と、その潜在能力には期待せざるを得ない。平均飛距離270ヤードを誇る、ジャンボの秘蔵っ子だ。

報道陣から自身の近況について聞かれると、「俺のことはいいんだよ。もうほとんど人生が終わってるんだから」という答えが返ってくる。そして「終わる前に、いいものが見たいという気持ちはある。うちの女の子が頑張っているところとか、最後にそういうものが見られるのは楽しいことだね」としみじみ語る。時に厳しい言葉と、温かいまなざしで、今年も弟子たちが大活躍する姿を見守る日々が続く。(文・間宮輝憲)

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