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小滝水音がワイドスタンスでパッティングをする理由【優勝者のスイング】

肩幅よりも広いスタンスが特徴の小滝水音。下半身が固定され、振り子ストロークの精度が上がる(撮影:上山敬太)

「大東建託・いい部屋ネットレディス」で、ツアー初優勝を飾った小滝水音。バーディ合戦となった大会で、初日に5バーディ、ノーボギーの「67」をマークすると、2日目はベストスコアとなる「65」を叩き出し単独首位に。迎えた最終ラウンドも「66」とスコアを伸ばし、通算18アンダー、2位に2打差をつけて悲願達成となった。「ショットとパットが噛み合ったのが大きかった。そして、そのショットとパットにはいくつか特徴があります」というプロコーチの長谷川哲也に、アマチュアも真似したいポイントを解説してもらった。

まず注目したのがパッティングスタイルだ。肩幅よりもスタンスを広くする、ツアーでは珍しい構え。初日、2日目には10メートル以上のバーディパットを複数回決めている。「スタンスを広めて不動の下半身を作れば、肩の付け根からの振り子運動の精度が高まります。インパクトが緩まずに、“振り幅=距離”となり、システマティックなパットがしやすくなります」というのが、ワイドスタンスのメリットだ。一方で、スタンスが広いと「ボールの位置が一定になりにくい」ので要注意。

 

また、小滝のショットシーンを見ていると、両手にグローブをしているのが分かる。こちらもパッティングのスタンス同様、ツアーではあまり見ないスタイルだ。「再現性の高い、体を主体としたスイングをするために、グリップは柔らかく握った方がいいのですが、握力がなければクラブをコントロールできません。右手グローブには、握力をサポートする役目もあり、非力な方でも力まず握れるのです」。

他方で、体力のある男性なら力を抜くことに一役買う場合もある。「インパクトで右手が悪さをする人は、軍手をしたり、グリップにタオルを巻いたりして力を抜く練習をしますが、グローブも厚みがあるので、それと同じような効果が得られます」。両手グローブは、力のある男性でも取り入れたいものというわけだ。

 

最終ラウンドのバックナインでは、12番から5連続バーディを決め後続を突き放した。16番のパー3をはじめ、初優勝を手繰り寄せた精度の高いショットについて長谷川は、「フェースローテーションが少ない」ことを挙げる。「ローテーションを抑えるポイントは2つ。トップの右腕と、インパクト後の右肩です。トップでは蕎麦屋の出前持ちのイメージで、右ヒジを下に向けつつ、両ヒジ間隔を変えないこと。またインパクト後は右肩を目標に出していくように、体の回転を止めないのが大事。体の回転が止まらなければ、インパクトで合わせる必要がなく、プレッシャーのかかった場面でもいつも通りのスイングがしやすくなります」。慣性モーメントが大きくなった現代のクラブで、真っすぐ飛ばすにはマストともいえるフェースローテーションを抑える動き。今度の練習で試してみては。

プロフィール/長谷川哲也

深堀圭一郎のマネージャー兼キャディを務め、2年間国内外のツアーを転戦。2004年から本格的にゴルフインストラクターとしての活動を開始。DEPARTURE GOLFでレッスンする傍ら、最先端のゴルフ理論や指導メソッドを発信しているYou Tube「ゴルフレッスン動画のマイケルゴルフTV」のチェンネル登録者数は6万人を突破。

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