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飛ばし屋の幡地隆寛  “緩やか軌道”のアイアン&“ひとめ惚れ”のパターで上位を狙う

トラックマンを抱える幡地隆寛。緩やかな軌道にするため数字の確認を怠らない(撮影:ALBA)

<ハナ銀行インビテーショナル 事前情報◇14日◇千葉夷隅ゴルフクラブ(千葉県)◇7636ヤード・パー73>

先週の「ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント」でトータル20アンダー、単独4位と調子を上げる幡地隆寛。明日から開幕する「ハナ銀行 インビテーショナル」を前に、好調の要因などを聞いた。

将来、米ツアーへの挑戦を目標にかかげ、今年のオフから徹底的に取り組んだのが、アイアンの入射角度を緩やかにすること。その成果がいま出始めている。

昨年、米下部ツアーのQTに挑戦した幡地は、日本とは異なる芝質、芝の種類に戸惑い、出場権を得ることはできなかったのだが、この時に痛感したのが「アイアンのインパクトが一定しない」という悩みだった。

「もともと身長が高いこともあり、アイアンショットでダウンブローがきつくなる傾向にあった」という幡地。「ダウンブローがきついと、ボールをとらえる際に、芝の状態や種類など微妙な違いによって、インパクトで影響を受けてしまうんです。その結果、スピンの入り方や飛距離のコントロールが上手くいかないことがあった」と話す。

アマチュアゴルファーからすると、アイアンショットではダウンブローがいいに決まっている、と思うのだが、それはすくい打ち傾向のアマチュアゴルファーの話。幡地の場合は、適正な範囲以上のダウンブロー(入射角がマイナス6度~7度)になっていた。今は、緩やかな軌道でヘッドを振り下ろすため、「練習ではターフを取らないこと」を心がけている。

例えば「残り200ヤードで7番を持ったら、あれ、これじゃちょっと大きいかな? って不安に思うとそれがミスショットにつながってしまうんです。今はそいういのがまったくなくなりました」と幡地。

芝質によって、微妙に沈んだり(逆に浮いたり)するボールのライに対して、強い角度でヘッドを打ち込むと、コンマ何ミリという中で、打点位置がズレて予想以上に飛んでしまうことが多いのだという。

将来のアメリカツアー参戦を見据え、「どんな芝の種類でも(バミューダなど)対応できるようにしたいです」と語る幡地。

このところの好調を支えるているもうひとつの要因に上げたのがパター。現在使用する、スコッティキャメロンの「タイムレス」が、ほとんどひとめ惚れドンピシャではまったそう。

「構えた瞬間に、あっ、これだ!とビビっときました。構えた時の座りとか、全体の見た目とかも最高です」と幡地。「先週の試合でも2~3メートルのパーパットが入りまくって凌げました」と、好調の要因にあげる。

日本ツアーでも屈指の飛ばし屋と知られる幡地に、ショットの正確性とパッティングの向上が備われば、ツアー初優勝もぐっと近づく。蝉川泰果、中島啓太らの若手と、幡地を筆頭とした中堅がハイレベルな試合をみせれば、これからの男子ツアー、見どころは確実に増える。明日からの試合に期待が高まる。(文・土屋裕一)

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