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36ホールで『15打』縮めた! 渋野日向子は連日の“劇場”に「自分のプレーができている」

連日の好スコアで急浮上。渋野日向子がV戦線に名を連ねた。(撮影:ALBA)

<LPGAドライブ選手権 3日目◇25日◇スーパースティション・マウンテンGC(米アリゾナ州)◇6526ヤード・パー72>

勢いは止まらない。前日にボギーフリーで米ツアー自己ベストタイ「64」をマークした渋野日向子は、この日も7バーディ・ボギーなしの「65」でプレー。トータル13アンダーまで伸ばし、7位タイで最終日へと進む。

1番からティオフし、前日には笹生優花がアルバトロスを達成した2番パー5で初めてのバーディを奪取。だが、そこからなかなかスコアは動かなかった。6番では4メートルのチャンスがカップの右フチに蹴られ、7番は奥5メートルほどのチャンスだったが、わずかに右を抜けた。それでも「打った感触はすべてパーフェクト」。切り替えて次のチャンスをうかがっていた。

そして、その時は訪れた。11番で右サイドのフェアウェイバンカー、残り135ヤードから1.2メートルにピタリとつけたら、これがバーディ列車の発車合図。「あれがきょうのハイライト(笑)。結構デカかった」とショットでバーディを奪うと、それにつられるようにパッティングも勢いがつき始める。12番パー3で手前7メートル、13番パー5は2打目を花道まで運ぶと3.5メートルを決めて、3連続でスコアを伸ばした。

「ワンオンチャレンジ」できる14番ではアプローチのミスでパーとしたものの、続く15番は残り85ヤードから「距離的には54度だけど、(グリーンが)跳ねる感じだったから手前からいこう」とキャディのジョン・ベネット氏と話し合い、ひと番手落とした58度ウェッジで手前1.5メートルにピタリ。狙い通りに奪った。

16番パー4では大きくくぼんでいてカップはショートサイドという「一番外してはいけないところ」に外すというピンチも。「結構ショックを受けながら3打目地点に向かっていた」と肩を落としたが、それでも「そこからも練習していたんで、クラブ選択もすっと出来たし、イメージも沸かせて打ったのがよかった」と練習ラウンドの成果を発揮。土手にクッションさせて球の勢いを落とすと、とろとろとカップに向かっていき、1パットでナイスパーセーブを決めた。

17番パー3は手前6メートルから流し込み、最終18番はティショットが「変なチョロみたいな当たり」と左ラフにつかまるも、逆目という状況から5番ウッドでグリーン手前カラーまで運んで、イーグルトライからの楽々バーディ。「こんなにスコアが出るとは思わなかったので正直びっくりしています」。後半での猛チャージに戸惑いながらも、満足そうな笑顔を見せる。

初日「74」で2オーバー・126位タイと大きく出遅れたなか、「(初日と比べて)10打縮んだな~」と2日目に米ツアー自己ベストタイの「64」、そして3日目は「65」。わずか36ホールで『15打』も縮めた。「初めてなんでびっくりしてますけど(笑)。しっかり自分のプレーが2日間できているのかな」と連日の“シブコ劇場”には確信的な手ごたえすらも感じさせる。

一気にリーダーボードを駆け上がり、初日に9打あった首位との差は3打と射程圏内。期待されるあすのスコアについては「分かんない(笑)」とおどけるが、爆発力をもつミラクルガールは最高のエンディングに向けて突き進む。(文・笠井あかり)

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