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「プロテストに受かった直後に比べれば…」 植竹希望はシード喪失も前を向いてQTへ

今シーズン大不振…。植竹希望がシード権を喪失した(撮影:上山敬太)

<大王製紙エリエールレディスオープン 2日目◇17日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71>

ツアー通算1勝の植竹希望は、2シーズン守ってきたシード権を手放すことになった。メルセデス・ランキング(以下、MR)97位で迎えたこの大会は、仮に優勝してもMR50位以内に滑りこむのは絶望的な状況。一縷(いちる)の望みは、翌シーズンまでの出場権が付与される“優勝シード”だけだったが、トータル6オーバー・85位タイで4日間戦い切ることも叶わなかった。

「かなりしんどい1年」。そのなかでも特に反省点として挙げたのが、体調管理の面だった。猛暑のなかでのプレーになった今年7月の「楽天スーパーレディース」2日目には、雷雲が接近し競技が中断した際、クラブハウスにたどり着くと熱中症で倒れ、担架で医務室に運ばれた。

その後、休んだことで状態が回復し、残りホールをプレーしたが、「しばらくは体調が戻らず、あの時(プレーを)やめていれば良かったのかもしれないと今は思っています」というほど尾を引くものになった。今は体調面に問題はなく、「失敗しないと私は学べない人間なので、あれはあれで勉強になった」と振り返ることもできるが、今後は同じ轍を踏まないよう心に刻み込むべきできごとにもなった。

シードを守ることが難しくなるなかでも、今後を見据え試行錯誤を重ねた。ここ最近パッティング時に感じてきた“手が動かない”という現象を克服するため、今週は「人生初めて」という長尺パターにもチャレンジ。「試合で使ってパターはあれでいけると確信しました。QTどころか来年、再来年もいけるくらい。ストレスがなかった」と、これが再浮上への重要アイテムのひとつになる予感すら得ている。

今月28日からは最終QT(静岡県・葛城ゴルフ倶楽部 宇刈C)が始まるが、「ショットとアプローチが不安定な状態。残り期間で何か少しでもいいものが見つかれば」と前を向く。すぐさま練習とトレーニングを開始し、来季の出場権をしっかりとつかみとるための準備を進めていく。

今季は34試合の出場で17試合の予選落ち(棄権2、今大会含む)を経験。それでも「(2017年に)プロテストに受かった直後とか、翌年に比べれば、まだマシです。1回も通れなかった時期もあったので」と、レギュラーツアーで一度も決勝ラウンドを戦えなかったデビューからの3シーズンを思い出し、気持ちを切り替えた。初優勝もツアー史上最長となる2時間のプレーオフのすえにつかんだもの。屈強な精神力を、悔しさを晴らすための来季につなげたい。(文・間宮輝憲)

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