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“ネクストヒロイン”と二人三脚 ツアールーキー・前田光史朗が単独9位で最終日へ

同い年の森有里紗(左)と二人三脚。前田光史朗が上位で最終日へ(撮影:米山聡明)

<ANAオープン 3日目◇16日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7066ヤード・パー72>

第2ラウンドで8バーディ・1ボギー「65」をマーク。ムービングデーでも6バーディ・2ボギーとスコアをさらに伸ばしたツアールーキー・前田光史朗が、トータル11アンダー・単独9位の好位置で最終ラウンドに臨む。

第2ラウンドで8バーディ・1ボギー「65」をマークして大きくジャンプアップ。9位タイで決勝進出を決めた前田光史朗。今季これまでに11試合に出場して予選通過が8試合、トップ10入賞はまだない。だが第3ラウンドでも、6バーディ・2ボギーとスコアをさらに伸ばし、トータル11アンダーの単独9位に順位を上げた。

今季これまでに11試合に出場して予選通過が8試合。トップ10入賞はまだない。開催コースの札幌GC輪厚Cは初めて回るコースとあって、第3ラウンドは慎重に攻めた。「正直、逆球が出ていてオーバーパーにならなければいいと最初は思っていました。グリーンもセンターに乗ればいいくらいで。それが7番のバーディからショットが良くなってきて、パターとかみ合ってくれました」と連日の好スコアとなった。

第2ラウンドまではパー3以外の14ホールすべてで、ドライバーを振っていた。だが「このコースはティショットをフェアウェイに置くことが重要」と、第3ラウンドでは4ホールほど刻んでティショットを打ったという。それがうまくはまったのだ。明日の最終日はこの勢いのまま自身初のトップ10入賞のみならず、さらに高みを目指す。

実は今大会、前田はネクストヒロインを従えて参戦している。そのヒロインとは日大ゴルフ部時代の同級生、森有里紗(もり・ありさ)だ。森はプロを目指して『マイナビネクストヒロインゴルフツアー』に出場している女子ゴルファー。同ツアーは、JLPGAプロテスト合格前の若手女子ゴルファーが経験を積むための場として、2019年に始まったツアーだ。

「今回、初めてキャディを頼んだのですが、森も頑張ってくれています。2日目は36ホール回ったのですが、バッグを担いで回っても疲れを見せなかったので安心しました。同級生なので気心が知れていて、リラックスしてプレーできています」と、前田。

前田と森の同級生コンビは、今年の春に大学を卒業したばかり。前田は大学4年時の22年にQT初参戦で11位にランクイン。今季前半戦の出場権をつかみ、ツアーデビューを果たした。一方の森は、今年、自身2度目となるプロテストに挑んだが、残念ながら第1次予選で敗退となった。

大学卒業後に就職先が決まっていた森だが、両親の助言もあり「もう1年だけ」と今年が最後のプロテスト挑戦になるはずだった。ところが、前田のプレーをキャディとして間近に見たことで、プロゴルファーへの憧れがより一層強くなった。「やっぱり競技ゴルフは面白いです。まだプロテストに挑戦を続ける気持ちはあります」と気持ちに変化が生まれたようだ。

実は、前田は今季の「~全英への道~ミズノオープン」の最終日を10位タイのポジションで迎えた。そのときは「緊張していないと思っていたんですが…」。結果は47位タイまで順位を落とした。

「今回の最終日はそうならないように、いつもどおりに行きます」と前田は話す。その「いつもどおり」を作るうえでも、同級生の森の存在は大きいだろう。“社会人1年生”コンビがどんなゴルフを見せてくれるのか、楽しみだ。(文・河合昌浩)

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