同期の下克上Vに続け! 25歳・蛭田みな美が好位置で週末へ

蛭田みな美が同期の活躍を刺激に活躍を続けている(撮影:上山敬太)

<ヤマハレディースオープン葛城 2日目◇31日◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)◇6480ヤード・パー72>

ツアー未勝利の蛭田みな美が連日の60台となる「69」をマークし、初日の3位タイからトータル7アンダーの2位に浮上した。先週優勝の山内日菜子の方が年齢は1つ上だが、2016年のプロテストでともに一発合格を果たした同期。いい流れに乗って、今週は蛭田が初優勝を目指す。

この日の蛭田は1番パー4では残り150ヤードから1メートル、2番パー4では99ヤードから4メートルにつけ、連続バーディの好スタート。前半だけで4バーディ(1ボギー)と気持ちよくスコアを伸ばした。

しかし、折り返しの10番パー4でティショットがディボットに入って、アンラッキーなボギー。その後は「パーオンができなくなってしまって…」とピンチの連続となった。それでも、持ち前の粘り強さでパーをセーブ。15番パー5では残り50ヤードからの3打目をバンカーに打ち込み、目玉となったが、3メートルのパーパットをねじ込む。最終18番パー5は3打目のバンカーショットを1.5メートルにつけてバーディ締め。苦しんだ後半もスコアを落とさずにしのぎ切った。

先週はショットが乱れて予選落ち。週末は「調子が悪くなった時に使うことが多い」というトラックマンでスイングの状態をチェックした。「クラブパスが3度アウトサイドインになっていたので、これが真っ直ぐ、0度になるように調整してきました」。現在は特定のコーチについておらず、こうして自力でスイングを整えるのが蛭田のスタイル。後半はなかなかグリーンをとらえられなかったが「いいショットが乗らなかっただけで、ショット自体は悪くないと思います」と修正してきたスイングへの好感触は変わっていない。

山内の優勝には刺激を受けた。「同期でジュニアのころから知っているし、うれしいというのが一番でした。自分が優勝している姿もイメージできるようになりました」。これまでは優勝争いに加わっても、最終日に崩れることが多かったが、トレーナーの指導を受け、ラウンド中は糖質の多いドリンクを、ラウンド後はプロテインを摂取するなど、コンディション維持も強く意識するようになった。

1学年下に黄金世代がいるなか、高校時代には「日本女子アマ」「日本ジュニア」を制した実力者。同期からもらった勇気、自ら磨いてきたスイングなど、心技体が整いつつある今こそ、プロになってから、なかなか乗り越えられなかった壁を突き破る時だ。(文・田中宏治)

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