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プロテストでは手の震え止まらなかった藤川玲奈が“長尺パター”で復調 「今日のスコアは完全にパターのおかげですね」

女子選手では珍しい! 新武器に長尺パター投入した藤川玲奈(撮影:ALBA)

<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー◇第9戦 PIM Ladies Tournament◇12日 本戦(一日競技)◇倶楽部 我山(群馬県)◇6299ヤード・パー72>

出場者40人中29人がアンダーパーで回るというハイレベルな戦いとなったマイナビネクストヒロインゴルフツアー第9戦「PIM Ladies Tournament」は、池羽陽向の初優勝で幕を閉じたが、練習グリーンでひと際目立っていたのが藤川玲奈だった。女子選手では珍しく、長尺パターを使っていたのだ。

3アンダーで今大会を終えた藤川は「ショット自体はあまりよくなかったです。けど、6~8メートルくらいのパットが入ってくれました。今日のスコアは完全にパターのおかげですね」と笑顔で話す。

長尺パターを使い始めたきっかけを聞くと、「プロテストが終わったタイミングでコーチに相談したら、『長尺試してみたら?』とアドバイスをもらって使うようになりました。もともとコーチが長尺を使っていたのもあって」という。

続けて、「長尺に変えることは頭になかったんですけど、プロテストの1次予選の前くらいからショートパットのときに手が震えるようになって。それでも入るから大丈夫と思ってましたが、プロテストのときはギリギリのラインにいて、バックスイングしたあとに動けなくなってしまって」と、パター変更の理由を明かした。

「飛距離が出ないほうで、みんなよりセカンドで長いクラブを持ってしまうので、ショットがつかなくてもパットが入ればいいと思っていました。パットが生命線のタイプですね」という藤川にとって、手の震え、そこからくるパットのミスは致命的だった。

長尺パターに変更したばかりのときは、ストロークの仕方も、タッチの出し方もつかめず「入らんな…と思って前のパターにこっそり戻してラウンドしたこともありました」と明かす。でも「やっぱり震えちゃって、変えないとだめだなって。悪くても、長尺を使おうと決めました」と腹をくくって取り組んでいる。

1カ月ほど試行錯誤するなかで、「ショートパットとロングパットで打ち方を変える必要がある」と気が付いた藤川。「長尺だと、ロングパットでなかなか距離を出せなくて難しいので、フォローを大きくとるように、少しアッパー気味にします。でも、ショートパットだとそれがうまくいかなくて。ショートパットでは、アッパーで当たらないように、重みを感じて打つようにしてます」と、短期間ながらも使いこなしつつある。

長尺パターに変えてから「日本女子オープン予選をウェイティングですけど通って。今日も3アンダーで」と、結果にもつながっている。それでも「完成度でいえば15%くらいですかね」と藤川。「今日もパーオンしてたけど、前半17パットくらいで、1回しか入らなくて。もっともっと練習して、スコアを伸ばせるようにしたいです」と、上を向く。

今年のプロテストは悔しい結果に終わったが、「ネクストヒロインツアーの最終戦に出たいんです」と力強く語る藤川。「ポイントを稼がないといけない」と本人が語るように、現在ポイントランキングは47位。最終戦には、ポイントランキングで30位以内に入るか、いずれかの大会で優勝するか、ワイルドカードを勝ち取るしかない。生命線のパットを取り戻しつつある藤川のこれからの巻き返しに期待だ。(文・杉本夏希)

※ネクストヒロインゴルフツアー(共催:株式会社マイナビ、株式会社ALBA、株式会社ALBA TV)は将来ツアーで活躍することを目指す、JLPGAプロテスト合格前の若手女子ゴルファーが経験を積むための場として2019年に始まった。今シーズンは全15戦が予定されている。出場選手は年間ポイントランキングによるシード、前大会成績上位者、主催者推薦、ファン投票などによって決められる。

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