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日本勢10人がすでに本戦行き決定 米シニア女子オープンに注目【原田香里のゴルフ未来会議】

「全米シニア女子オープン」に出場する福嶋晃子(撮影:米山聡明)

ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。相変わらずの猛暑、そして大型台風と、大変な夏。被災された方、熱中症などになられた方には心からのお見舞いを申し上げます。そうでない方も、くれぐれもご自愛の上お過ごしください。

さて、今週のテーマは8月末(24~27日)に開催される「全米シニア女子オープン」です。オレゴン州ポートランドのウェイブレイCCで行われる第5回大会には、すでに日本勢が10人も予選会を突破しています。斎藤裕子さん、鬼澤信子さん、下條江理子さん、祖父江歩さん、福嶋晃子さん、久保樹乃さん、小倉由子さん、白戸由香さん、大竹エイカさん、60歳の大先輩・島袋美幸さん。全員がアメリカ本土での予選会に挑んで、これを突破して本戦出場を決めています。
 
オルタネート(補欠)には、現在ティーチングプロとして登録している松本有香子さん、アマチュアの中田カヤット朱美さんの名前もあります。中田さんは私が日大ゴルフ部で1年生のとき、4年生だった先輩でずっと競技ゴルフを続けていらっしゃいます。
 
予選はまだもう少し残っているので、そこから出場権を手にする日本人選手が出る可能性も残されています。50歳以上の女性であれば、プロ、USGAハンディキャップインデックス7,4以下のアマチュアが挑めるこの大会は、2018年に第1回が行われました。2020年は新型コロナウイルス感染拡大によって中止となっているため、今年が第5回大会。年々、日本から挑戦する選手が増えています。
 
「50歳になったら全米シニア女子オープンに挑戦する」と口にしている選手は一人二人ではありません。今ではミドルエイジのプロたちのひとつの目標になっていると言ってもいいでしょう。
 
以前にもこの大会に触れたときにお話ししたと思いますが、そうなった裏には今年も出場する斉藤裕子さんの大きな功績があるのはまちがいありません。2018年の第1回大会に予選から挑み、5位に入ったときには世代の近い私たちプロ仲間の間で、本当に大きな話題になりました。
 
このとき、優勝したのはローラ・デービースさんでした。1987年「全米女子オープン」で岡本綾子さん、ジョアン・カーナーさんとプレーオフをして優勝した飛ばし屋です。オールドファンにはおなじみのビッグネームには及ばなかったものの、予選から上位に入って翌年の出場権も手にしました。
 
以来、斉藤さんは毎年、出場を続け21年には4位と自身ベストフィニッシュ。昨年は22位でしたが、今年もしっかりと予選会を突破しています。55歳になった今も元気いっぱいで挑戦を続けているため、それを目標にする選手が多いのもうなずけます。
 
一方、今年6月に50歳になったばかりの福嶋さんは、カリフォルニア州の予選を見事にトップ通過。大会デビューを果たします。米ツアーでも戦った経験を持ち、2勝の実績もあります。飛距離も健在なだけに、どんな活躍をしてくれるか楽しみです。
 
ほかのみなさんもそれぞれ色々なアクシデントを乗り越えて予選会を突破しています。この年齢になると、私自身もそうですが家族など周辺も含めて、なにかが起こるものです。そんな中で気持ちを切らさず、日々鍛錬し続ける精神力にはただただ感服致します。
 
もっとすごいのは、ゴルフを心の底から楽しんでプレーしていることでしょうか。ゴルフが生涯スポーツであること、女性もいつまでも競技で活躍できることを高いレベルで見せてくれる「全米シニア女子オープン」。
 
今年の大会はどんな展開になるのでしょうか。大きな目標を持って頑張ることが、経験を積んだ選手たちにとっては本当にハリになっているのはまちがいありません。みんな~。頑張れ~!

■原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部にで腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。

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