永久シードまであと2勝! 申ジエが3億円大会で貫録の逆転V

岩井明愛をプレーオフで撃破した申ジエ。勝負どころでの強さを健在だった。(撮影:鈴木祥)

<アース・モンダミンカップ 最終日◇25日◇カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)◇6650 ヤード・パー72>

“ファイナルラウンドクイーン”は健在だった。首位と1打差で出た申ジエ(韓国)が「68」をマーク。トータル13アンダーで並んだ岩井明愛をプレーオフで撃破し、今季2勝目、ツアー通算28勝目(メンバー登録前の勝利除く)を飾った。

終わってみれば、優勝スコアと3打差に14人がひしめく大混戦。誰が勝ってもおかしくないV争いの中で、百戦錬磨の35歳は安定感バツグンだった。前半で1つ伸ばすと、後半では3バーディを奪ってクラブハウスリーダーとなった。

好調の岩井に追いつかれて延長戦にもつれ込みはしたが、これまでプレーオフ通算5勝を誇るジエは、やはり強かった。「狙い通りのところに2打目を落とせた」。得意距離からの3打目はバックスピンがかかり、あとわずかでショットインイーグルというスーパーショットとなった。

ショットが乱れてパーオンを逃した岩井を尻目に、約2メートルのバーディパットを決めて勝負あり。「入ると思ってたから、出ました(笑)」。ボールがカップに沈む前に繰り出したド派手なガッツポーズが、勝利への強い欲求を物語っていた。

今季開幕戦での勝利以降は、2位が3回、3位が1回。明愛、千怜の岩井ツインズや山下美夢有らに阻まれていたが、ようやく今季2勝目をつかんだ。これで目標の永久シード(通算30勝)まであと2勝と迫った。

さらに今回の優勝賞金5400万円を加えたことで、賞金ランキング1位の山下まで約500万円差の2位に浮上。昨年から名誉タイトルとなったものの、かねてターゲットにしている“賞金女王”の座にグッと近づいた。

「開幕戦で優勝していい流れができたんですけど、最近は少し届かなくて。やっぱり優勝は難しい。これからももっと頑張ります!」。永久シードに賞金女王。目標に向かって突き進むジエが、まだまだ若手の壁になって立ち塞がる。

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