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「本当に近くまで来ている」 悲願メジャー制覇へ、畑岡奈紗のこれから

悲願成就へあと一歩。畑岡奈紗は次なる好機に向けて闘志を燃やす。(撮影:GettyImages)

<全米女子オープン 最終日◇9日◇ペブルビーチGL(米カリフォルニア州)◇6509ヤード・パー72>

自身初となる単独首位でメジャー大会の日曜日を迎えた畑岡奈紗は、1打差のリードを守り切れなかった。最終組で一緒に回ったアリセン・コープス(米国)が3つ伸ばしたのに対し、畑岡は「76」と失速。バックナインで一気にかわされ、4位タイに終わった。

「上にいても伸ばせないと難しい展開になるし、下からくる選手があれだけバーディを獲っていれば、より難しくなる」。アリソンは前半にボギーを2つ叩いたものの、“おはようバーディ”を含む3バーディを奪取。畑岡は199ヤードから1.5メートルにつけたパットが左を抜けるなど、バーディはパー5で2オンに成功した1つのみだった。

それでも首位タイをキープして後半へと向かったが、「あそこで勝負が決まってしまった」と14番でのボギーによってコープスとは4打差に。この時点で畑岡のメジャーVは手からこぼれ落ちた。

笹生優花に惜敗した2年前の今大会を含め、メジャーでは2度のプレーオフも経験している。目の前で勝利を逃したのは初めてではないが、「こっちのほうが悔しい」。同じカリフォルニア州のオリンピッククラブで行われた2021年大会と比較しても、「2年前は優勝を狙ったというよりは、自分がいいプレーをして待っていたら、プレーオフになった。今年は自分が勝てる位置と分かっていながら(落とした)」とその感情の違いは明確だ。

それでも、単独首位で最終日を迎えられたことは、これまでに得ることができなかった自信にもつながる。ペブルビーチという誰もが苦しむ難コースで、3日目にボギーフリーの「66」を叩き出した。「きのうみたいなプレーが風のなかでできたのは収穫」と、課題ばかりが残ったわけではない。

「最後にアリソンがパーパットを決めた景色を忘れずに、その悔しさを忘れずに努力したい」と、ひとつ年上の25歳によるメジャーVを目に焼き付けた。次戦は3週間後、これまで「唯一トップ10に入れていない」というメジャー大会「アムンディ・エビアン選手権」だ。

「それまでに今週の反省を生かして、練習しないといけない」と前を向く日本のエース。「本当に近くまで来ている感覚はある」という悲願に向けて、さらに努力を重ねていく。(文・笠井あかり)

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