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最終組の40代ふたりは早々に優勝争いから脱落 小林正則「記憶にない…」、宮里優作「戦えていない感じ」

最終組の宮里優作(左)と小林正則。ともに復活優勝はならなかった(撮影:上山敬太)

<Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 最終日◇27日◇芥屋ゴルフ倶楽部(福岡県)◇7216ヤード・パー72>

トータル14アンダーで首位に並んだ小林正則、宮里優作、ソン・ヨンハン(韓国)による最終日最終組。10年ぶり優勝がかかっていた小林、6年ぶりの優勝を狙った宮里は早くに優勝争いから脱落してしまった。

疲れ切った表情でホールアウトした小林。3日目まで60台を並べた好調が嘘のように、バーディなしで7ボギーを叩き、まさかの「79」。トータル7アンダーは28位タイまで順位を下げた。「こんなふうになったのは記憶にない…分からない」と呆然とした表情を浮かべる。スタートの1番ではいきなり右に曲げ、ギャラリーの女性に当ててボールをプレゼント。ドライバーを握った2番でも「ファー!」と右ラフへ。続く3番パー3はアイアンで「シャンクみたいな球が出た」とまたも右に飛んだ。

「朝の練習場では普通だった。シャンクが出て、これは体が止まっているなと思って、頑張って動かそうと思ったけど全然動いてくれなくて…」と最後まで修正することができなかった。最初の5ホールで3つ落とし、ハーフターン時点で首位ヨンハンとの差は7打に開いていた。

正午に33度を超えた暑さもあり、判断ミスが生まれた。前半最後の9番パー5では2打でグリーン周りまで運びながら、3打目の20メートルを超えるロングパットは4メートルショート。その上りのバーディパットは入らず。「逆目だから絶対パターなんかで寄るわけない。ピッチングウェッジで打った方が絶対寄るのに…。ちょっと自分が何でこんなことをしているのか分からなかった」。

また17番パー3でも同様の判断ミス。「177ヤードでピンは手前(手前から6ヤード)だから、ピンに(キャリーで)落とさないといけないのに、何を思ったのか『170キャリーだな』とか思って打っていた。思考能力が完全に低下していた」と話す。11年の「とおとうみ浜松オープン」では石川遼をプレーオフで下してツアー初優勝し、13年の「日本オープン」を制した小林でも、この日は修正が利かなかった。

3日目に全体1位のフェアウェイキープ率(85.71%)で「65」を叩き出した宮里にとっても苦難の一日に。「ティショットですね。フェアウェイに一回も行かなかった」と、あれだけ好調だったティショットは影を潜め、前半は一度もフェアウェイを捉えられず足かせとなった。

「ドライバーだけじゃなく、何を打ってもフェアウェイに行かなかった。低く打ったりとかいろいろやったんですけど全部裏目に出て、難しい感じ」。前半だけでボギーを4つ叩き、「ちょっと戦えてない感じでしたね」と肩を落とす。

後半はなんとか盛り返してトータル14アンダーまで戻したが、最終的に前半のブレーキが響いた。トータル20アンダーまで伸ばしたヨンハンが、上がりの3ホールで3つ落としてトータル17アンダーとなっただけに、悔しさは大きい。それでも今季初のトップ10となる3位に、「(シーズン)後半最初の試合でいきなり最終日最終組でやれたのは、すごい収穫。来週からもいいイメージをしっかり持っていきたい」と切り替えた。

次週の「フジサンケイクラシック」が終わるとリランキングが行われ、後半戦の出場優先順位が決まる。賞金シードを持つ宮里には関係ないが、前半戦の出場権しか持たない小林にとっては勝負の一戦となる。28位タイの小林は暫定リランキング58位から51位に上がっただけ。出場人数が絞られる秋からの試合は10位以内が目安で、崖っぷちの状況は続く。(文・下村耕平)

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