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申ジエと岩井明愛は女王争いで敗戦 元世界1位の来年の目標は「人生で一度は出たい」大舞台 

申ジエ(左)と岩井明愛。女王争いには敗れたが、ともに充実したシーズンを過ごした(撮影:福田文平)

<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 最終日◇26日◇宮崎カントリークラブ(宮崎県)◇6497ヤード・パー72>

国内女子ツアーの2023年シーズンは、山下美夢有が最終戦連覇を成し遂げ、2季連続で年間女王に輝く、という結末を迎えた。メルセデス・ランキング(以下MR)1位で迎えながら、逆転女王の可能性を残したMR3位・岩井明愛との差はわずか“100.39pt”。MR2位の申ジエ(韓国)も含め、全員が優勝すれば文句なしで戴冠というプレッシャーを山下が跳ね返した形だ。

米国女子ツアーなどでかつて賞金女王になり、日本での頂点を目指してきたジエだったが、今年も悲願達成はならなかった。今年は「全米女子オープン」2位、「AIG女子オープン」(全英)3位と海外メジャーでの活躍を国内のポイントに反映させ女王レースに参戦。そんな1年を「特に幸せでした」と振り返った。

最終戦もトータル5アンダー・4位タイと上位フィニッシュ。優勝した山下とは5打差がついたが、最後まで逆転の可能性を残す戦いぶりだった。そのライバルとは初日、2日目と一緒にプレー。元世界ランク1位が「(山下の)ショットの安定感を見ていたので、逆転は難しいと思っていました」というほどの仕上がりを肌で感じていた。穏やかな天候ということもあり、「自分が頑張るしかない」と気持ちを込めたが、及ばなかった。

しかし、その表情は負けてなお穏やか。「結果ではなく、父も電話で『申ジエらしいプレーができればいい』と言ってくれたので、きょうは皆さんに感謝の気持ちを込めて、あいさつになるようなプレーができればと思っていました」。そして来年の目標については「人生で一度は出たい」と話すパリ五輪の舞台を目指す。「世界ランキングも上がってきましたし、チャンスだと思う。海外メジャーでポイントを稼ぎたい」と、現在、韓国勢4番手につける世界ランク16位から代表圏内へ浮上することがモチベーションになる。

一方、MR3位から女王をうかがった岩井は、トータル4オーバー・24位で終戦。2日目、3日目に「75」を叩くなど、なかなか思うようにいかない4日間だったが、最終日は5つのバーディ(4ボギー)を奪った。初出場の大舞台は「めっちゃ楽しかった」。そして、今季を思い返しつつ、「年間女王争いに加わることができてすごくうれしかった。悔しいなという気持も少しはありますけど」と話した。

5月の「RKB×三井松島レディス」では妹・千怜と史上初の双子プレーオフを戦い、海外メジャーにも挑戦。3勝を挙げて世間にも大きなインパクトを与えた今季を「すごく充実した1年でした」と振り返ったその言葉からも、満足感がうかがえる。今年の自己評価は「90点です」。残りの10点は「年間5勝を目標にしていたので、そこはもう少しだった」と見据えるレベルは高い。

オフシーズンは地元・埼玉県で汗を流していく。今年を象徴する一文字には「パッと浮かんだのは得るの『得』です。いろいろ勉強して得た1年だった。全部含めて、いいことも悪いことも」。今年逃した女王の座を“得”るためにも、収穫と課題をもってトレーニングに励む。

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