おやじゴルフニュース「冬ゴルフの対策法をあれこれ考えてみた」

イラスト・とがしやすたか

冬のゴルフシーズン到来です。ふかふかしていた緑の芝は、自分の髪の毛のように枯れ野となり、厚着をしているので体は回らずボールは飛ばなくなりました。アプローチも決まらず、耳は寒く、手はかじかむって。じゃ、やらなきゃいいんじゃん。

いえいえアマチュアゴルファーに、オフシーズンはありません。オヤジになって、いったんゴルフを3カ月ぐらいやめてみなさい。そのままズルズルやらなくなり、春先に再デビューしなくなる可能性が高いです。そしたらゴルフ引退じゃないですか。だから、冬でも休まずゴルフをやったほうがいいのです。

それでは冬ゴルフの特徴と対策方法を考えてみましょう。
1)ボールが飛ばない
これは実感しています。自分のメンバーコースだと、毎回同じ距離を打ちます。通常2回でグリーンに乗るのに、冬は2回ナイスショットしても乗らなかった。そういうことがよく起きます。

寒いとボールの反発係数が減るのだとかも耳にします。理屈はどうでもいいんです。ボールが飛ばない現実を受け止め、どう対処するかが大事です。


実際に冬場の飛距離の減少はどれぐらいか? 一般的にドライバーで夏場200ヤード飛ぶなら、冬場は3~4ヤード飛距離減になると言われています。飛ばないから振ろうとして、さらにミスをすることが多いです。

冬場は飛ばないことを認め、クラブを1番手大きめにして打つのがよろしいと思います。

2)ボールが上がらない
枯れた芝は春まで成長することはありません。だからディボット跡やベアグランド、薄い芝が増え、ボールが上がりづらくなります。アプローチウェッジは冬用のウェッジに替えることをお勧めします。

どう替えるかは個人差があるので、あくまで自分の例を紹介します。夏場はラフ対策でバンスの大きいウェッジを使っていました。バンスの重みを利用してヘビーラフを振り抜く作戦でした。ところが冬場はラフが短いし、しかも芝が寝ているので、さほど絡んできません。



薄い芝やベアグランドでそのバンスの大きいウェッジを打つと、跳ね返ってしまい打ちづらいです。だから冬場はソール部分が滑りやすい、バンスの小さいウェッジに替えてアプローチをします。

それで打っても、なかなかボールが上がらないときがあります。そういうときは上げるのを諦め、ボールを転がします。

とはいえ薄い芝やベアグランドは、どのウェッジで打ってもなかなか難しい。その場合は9番アイアンでパターのようにスライドさせて打つと、わりと簡単にボールが転がります。


と書いてる矢先に、先日9番スライド打ちをやったら、あさっての方向にボールが飛んで大慌て。簡単なショットほど練習が大事と痛感しました。打ち放題の練習場ならともかく、1球幾らの練習場で、パター打ちの練習をしつこく出来ませんよね。こいつ何無駄なことをやってるんだ? ショットの打ち方を知ってるのか? って言われそうですから。


理想はラウンド前にコースのアプローチ練習場を使うことです。そこで、転がしを繰り返す練習することが大事です。

3)防寒対策あれこれ
冬のゴルフ場の朝はかなり寒いです。だからなるべく遅いスタート時間を取るのがいいと思います。冬場の8時と10時じゃ、だいぶ気温は違ってきます。

あとグリーンが凍っていたり、固かったりするので、グリーンが軟らかくなるのを待つ意味で遅いスタートは効果的です。

昔、カチンコチンのグリーンに乗せて、ナイスオンと思ったらツツ~とボールが転がって、グリーンをオーバーさせたことがありました。ちゃんと打てたのに報われないのはほんと辛いです。


4)冬場のドリンク問題
ラウンド中に飲むドリンクは好みがありますが、自分としては元来お腹が弱いので、冷たいものはパスです。温かいものを飲むように心がけています。けどミニペットボトルのドリンクは幾ら温かくても、2ホールもプレーすれば醒めて冷たくなってしまいます。

だから最近、携帯保温ポットにコーヒーを入れて持参してますね。周りの人々を見ても、マイポット持参者が結構多いことに気づき、驚いています。

ゴルフ場の自動販売機の飲み物は、微妙に高いですからね。皆さん、自衛しているのでしょう。そこで冬場の更なる飲み物保温法としては、持参のホットドリンクをハーフで飲み干し、午後からは保温ポットを洗って、自販機でホットドリンクを買い、それを保温ポットに詰め替えるのです。

さすればハーフぐらいは、温かいままで飲めるというわけです。せこいけど便利かな。

5)両手グローブというプラン
昨年から軽いリュウマチになり、特に右が動かしづらくなって、右手にもグローブをしてラウンドすることが多くなりました。今のところリウマチはさほど進行せず、気になる程度ですが、右手に力が入りづらいので、今でも両手グローブゴルフをやっています。

これが冬場、案外楽なのです。カイロを握りしめて、ポケットに手を突っ込んで歩いていると、枯れ芝は滑りやすいので思わぬアクシデントが起きます。ラウンド中、クラブや砂袋、距離計など持って歩くものが多いでしょ。右手のグローブ装着は、両手が自由に使えてこの上なく便利です。

最近は厚手の保温効果抜群のグローブも出回っています。先日、イラストをお願いしている、とがし君から厚手のグローブを頂き、凄く重宝しています。ありがとうございました。どうしても指が冷たくなる人には、それがいいかも知れませんね。

6)顔が寒いときはマスクと耳当て
コロナウィルスが猛威をふるっていたときに、お世話になったマスク、これを装着しながらゴルフをすると、顔面の保温効果がすこぶる高くなります。


ショットを打つときは邪魔になるのでアゴにマスクをかけますが、移動時にマスクをすれば顔が温かいというわけです。そして冬場一番困るのが耳が冷たくなることです。もちろんニット帽を被ったりして寒さをしのぎますが、耳を何かで覆うと、三半規管が誤作動をして、平衡感覚を保ちづらくなることがあります。

これがショットに微妙に影響するんですよ。まあここらへんは、叩いたときのいい訳に使いますか、そういうことかな? というわけで頑張って冬のゴルフを乗り切りましょう。

■プロフィール■
木村和久
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
 
とがしやすたか
1959年生まれ。東京都出身。「青春くん」などで知られる4コマ漫画家。ゴルフ好きが高じて雑誌でラウンドレポートなども展開。

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