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宮本勝昌、シニア初Vで賞金ランク首位浮上! 次なる目標はアメリカ「チャンピオンズツアー」

宮本勝昌、世界へ打って出る!(撮影:米山聡明)

<ファンケルクラシック 最終日◇20日◇裾野カンツリー倶楽部(静岡県)◇6993ヤード・パー72>
 
宮本勝昌は最終日、雷雨接近による1時間30分の中断を挟みながら、8バーディ・1ボギーの「65」をマークし、逆転でシニアツアー初勝利。優勝賞金1500万円を獲得し、賞金ランキングトップに躍り出た。

50歳の現在、レギュラーツアーの賞金シードを確保しており、昨年に引き続き「ごちゃ混ぜで出る予定です」とレギュラーとシニアの両ツアーを飛び回る。今週は福岡県でレギュラーツアー「Sansan KBCオーガスタ」が開催されるが、宮本は静岡県で行われるシニアツアー「マルハンカップ 太平洋クラブシニア」にエントリー。その翌週はレギュラーの「フジサンケイクラシック」に出場予定だ。
 
そんな鉄人・宮本に今後の目標について聞くと、「シニア賞金王となると、シニアに注力しないと無理だと思うので難しい。でもランキング上位はチャンスがあると思っています」。
 
チーム・セリザワの兄弟子、藤田寛之は昨年のシニアの賞金ランキングで2位に入り、今年は同4位以内の資格で「全米プロシニア」と「全米シニアオープン」、賞金ランキング10位以内で出場希望者上位2名までの資格で「全英シニアオープン」と、3つの海外メジャーに出場し、「やっぱりメジャーは充実していた」と大きな刺激を受けた。国内で結果を残すことで海外への道が開けるのだ。さらに宮本は藤田が選択しなかったプランも頭に思い描いている。
 
「賞金ランキングの上位にいれば、最終予選から行けるという確認を取っている。そのカテゴリに引っかかるようなら、チャンピオンズツアーの予選会に行きたいと思っています」
 
チャンピオンズツアー(現在はPGAツアー・チャンピオンズ)とは米国シニアツアーのこと。宮本は45歳以上のレギュラーツアー優勝者(19年中日クラウンズ)に与えられる権利で、今年5月の「全米プロシニア」に出場。2010年8月の「WGC-ブリヂストン招待」以来、およそ13年ぶりの米国での試合は、予選ラウンドを単独2位で通過するなど優勝争いに絡み、最終的に10位に入ってみせた。
 
「チャンピオンズツアーといえども、みんな歳を取っている。大昔に行ったときはダメだったけど、今ならいけるんじゃないかってちょっと思っています。自分がいいプレーをすれば優勝争いできる。そういうきっかけをつかませてもらったので、やってみたい気持ちはあります」
 
宮本は1999年に米国男子ツアーに参戦。22試合に出場して予選通過は8回、トップ25は3回で賞金ランキング170位だった。当時は歯が立たなかった選手たちが、現在の米国シニアツアーでも活躍しているが、「向こうが落ちてきている」と全米プロシニアで手応えを感じた。
 
現在まだ、米国シニアツアー最終予選会(QT)の出場資格は発表されていない。昨年だと10月10日時点の国内シニアツアー賞金ランキング5位以内の最上位者に参加資格が与えられた(行使者はいなかった)。同じ条件なら宮本がいま一番近い位置にいることになる。しかし、米国シニアツアーはレギュラー時代に実績を積んだ選手が優遇されており、QTからツアーに参戦するのはかなりの狭き門。今季の出場実績を見てみると6位以下の選手はほぼ出場できていない。『5位以内』が目安になりそうだ。
 
「全米プロシニアのときはゲストっぽくて、自分自身もちょっと観光みたいな感じがあった。今度はメンバーとして行ってみたい。行けるのはこの数年かなと思っています」。来年はもしかすると、国内でのレギュラーツアー、シニアツアー、そして米国でのシニアツアーと3つのツアーを掛け持ちする宮本の姿が見られるかもしれない。(文・下村耕平)

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