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下剋上Vを果たし「最高の一年だった」山内日菜子 一方で浮き彫りになったパーオン率57%の課題

下剋上V達成も課題浮彫りの山内日菜子。アイアンのシャフト変更で来季はどう化けるか(撮影:山代厚男)

茨城県のイーグルポイントゴルフクラブで行われた、藤倉コンポジット株式会社が主催の「スピーダーチャレンジ 2023 決勝大会」。男女混合で行われる今大会で、女子プロ初の単独優勝を飾った山内日菜子に、今季を振り返ってもらった。

「去年のオフは試合がない順位だった」と話すように、練習用のクラブを積んでいて8打罰が科されたこともありファーストQTで敗退し、QTランキング181位。レギュラーツアーはもちろん、下部ステップ・アップ・ツアーの出場権も持っていない“崖っぷち”な状況だった。「リランキングを目指してやっていたけど、試合が決まっていない状況でやるのは辛かった」と当時の心境を振り返る山内。

そんななか迎えたのが、「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI」だった。主催者推薦で出場権を得た、山内にとって23年シーズンのレギュラーツアー初戦。「早めにアクサがあると分かっていたので、オフシーズン頑張っていた」と、照準を合わせて臨んだ山内は、トータル10アンダーで見事初優勝。QTランキング181位からの下剋上Vを達成したのだった。「真っ先に優勝できて、想像していた年とは全く違いました。最高な一年だった」と笑顔を見せた。

その一方で「パーオン率は下から数えたほうが早いくらい低い」と課題も浮き彫りに。今季はパーオン率57.2222%で90位。およそ半分近くのホールでパーオンできなかったこととなるが、「今年、残りの3、4試合ぐらい」からアイアンのシャフトを変更したことで状況は好転しているという。

「長く使っていたからなんとも思っていなかったのですけど、いい意味では操作しやすい、裏を返せば曲がりやすいシャフトだったんです。フジクラのMCIというカーボンシャフトに変えて、アイアンの精度がよくなってきて、今はさらに馴染んできていい感じです」。最終戦こそ50%(36/72)だったが、「大王製紙エリエールレディス」では77.7777%(28/36)、「伊藤園レディス」では74.0740%(40/54)と、来季に向けていい兆しが見えている。

「今年1年戦ってみて、体力はあればあるほど有利になる。このオフはトレーニングに力を入れます」と、連戦でも、酷暑でも安定したパフォーマンスを見せるための基礎体力向上に取り組むという山内。「まずは優勝したい。毎年毎年優勝できる選手になっていきたい」と、さらなる飛躍を誓った。

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