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公式戦タイトルをついに… 難病に苦しむ天才が最も輝いた日【名勝負ものがたり】 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net

天才がようやくメジャータイトルを手にした瞬間だった(撮影:ALBA)

歳月が流れても、語り継がれる戦いがある。役者や舞台、筋書きはもちろんのこと、芝や空の色、風の音に至るまでの鮮やかな記憶。かたずを飲んで見守る人の息づかいや、その後の喝采まで含めた名勝負の舞台裏が、関わった人の証言で、よみがえる。

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2007年7月1日、日曜日の昼下がり。星野英正は、病院のベッドに横たわったまま、腫れあがった眼をテレビ画面に向けていた。画面に大写しになっていたのは、優勝を目前にした片山晋呉の姿。ツアープレーヤーナンバー1の称号を争う公式戦、日本ゴルフツアー選手権は、最終日の大詰めを迎えていた。

原因不明の眼の腫れに襲われ、3週間の緊急入院。星野はシーズン真っただ中でありながら、無念の戦線離脱を余儀なくされていた。

アレルギー症状の悪化が疑われたが、病名は不明のままだった。しかし実際には、もっと深刻な事態が水面下で進行していた。その後も長年にわたる苦しめられる難病の兆候は、この時、すでに起きていた。

星野はこの時点まで2003年の中日クラウンズ、2006年のコカ・コーラ東海クラシックの2勝を挙げていたが、周囲の目は「もっとやれるはず」と常に厳しかった。星野のアマチュア時代の戦績が、あまりに輝いていたからだ。

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