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【2021主力選手通信簿|ロッテ】佐々木朗や益田をはじめ投手陣は高評価。だが、次代を担う若手野手は不完全燃焼に<SLUGGER>

益田はクローザーながら、引き分けの場面でも登板をいとわぬ献身ぶりでチームに貢献した。写真:田口有史
全12球団の主力選手の2021年シーズンを5段階の通信簿形式で振り返っていく同企画。各選手のこれまでの実績や期待値も踏まえて査定し、評価していく。

※A=よくできました、B=まずまずです、C=可もなく不可もなく、D=がんばりましょう、E=ガッカリです

【投手】
●小島和哉
[試合] 24 [勝敗] 10-4    [防御率] 3.76
[投球回 146.0    [K/9]    5.67    [BB/9]    3.14
評価:よくできました(A)
3年目の今季はプロ入り初の2ケタ勝利&規定投球回到達を成し遂げた。成績だけでなく、優勝のかかったシーズン終盤のマウンド上での姿や言動からもエースの自覚と頼もしさを感じた。

●岩下大輝
[試合]    23 [勝敗] 8-8 [防御率] 4.43
[投球回] 120.0    [K/9]    6.53    [BB/9]    3.45
評価:可もなく不可もなく(C)
前半戦だけで8勝を挙げる活躍も、後半戦は0勝、40.1回で防御率6.69と打ち込まれてしまった。決め球のフォークをより生かすためにも、第3球種の習得と精度向上に努めたい。

●二木康太
[試合] 22 [勝敗] 5-7    [防御率] 4.38
[投球回] 117.0    [K/9]    5.92    [BB/9]    2.15
評価:ガッカリです(E)
オープン戦は好調で開幕投手に任命されるも期待を裏切る投球。昨季の球威や制球が鳴りを潜め、24本もの本塁打を浴びた。佐々木朗や種市がローテ定着・復帰を目指す来季は正念場。

●美馬学
[試合] 21 [勝敗] 6-7    [防御率] 4.92
[投球回] 115.1    [K/9]    7.18    [BB/9]    2.50
評価:がんばりましょう(D)
2ケタ勝利を達成した昨季から一転して精彩を欠き、規定投球回到達も逃した。被安打139本はチームワーストで、一度打たれ出したら止まらないこともしばしば。10月の好投を来季につなげたい。
●石川歩
[試合] 12 [勝敗] 6-3    [防御率] 3.38
[投球回] 80.0    [K/9] 4.73 [BB/9] 1.01
評価:可もなく不可もなく(C)
シーズン途中に右ヒジ手術で離脱するも、9月の復帰後は6先発で4勝、防御率1.76と好投。稼働期間は安定したパフォーマンスを披露しており、来季は再び年間を通じた活躍に期待したい。

●鈴木昭汰
[試合] 23 [勝敗] 1-4    [防御率] 4.08
[投球回] 79.1    [K/9]    8.62    [BB/9]    3.18
評価:可もなく不可もなく(C)
新人で開幕ローテーション入りを果たすも、援護が少なく1勝止まり。シーズン途中には中継ぎも経験した。決め球のスライダーは被打率.114を記録しており、来季以降も武器にしたい。

●益田直也
[試合] 67 [勝敗] 3-6    [防御率] 2.24 [セーブ]    38
[投球回] 64.1    [K/9]    9.51    [BB/9]    2.10
評価:よくできました(A)
リーグ最多の67試合に登板、38セーブを記録して2度目の最多セーブを獲得した。今季の蓄積疲労が心配だが、3年契約最終年となる来季もこの安定感を維持して試合を締めくくってほしい。

●佐々木朗希
[試合] 11 [勝敗] 3-2    [防御率] 2.27
[投球回] 63.1    [K/9]    9.66    [BB/9]    2.27
評価:よくできました(A)
5月のプロ初先発以降、登板を重ねる度に成長の跡を残した。すでに相手の主力打者も圧倒するボールを投げており、課題とされていた体力面も終盤に中6日を経験。来季はエース争いだ。
●佐々木千隼
[試合] 54 [勝敗] 8-1    [防御率] 1.26 [ホールド] 26
[投球回] 57.0    [K/9]    4.42    [BB/9]    2.21
評価:よくできました(A)
当初はビハインドでの登板が多かったが、中盤からセットアッパーに定着しチーム最多の26ホールドを記録。来季もスライダーとシンカーで打者を幻惑させる投球に期待がかかる。

●国吉佑樹
[試合]    43 [勝敗] 3-1 [防御率] 3.46     [ホールド] 17
[投球回] 54.2    [K/9]    9.22    [BB/9]    4.94
評価:よくできました(A)
シーズン途中に有吉優樹とのトレードで加入。DeNAではビハインドでの登板が多かったが移籍後はセットアッパーに定着し、与四球率6.12と荒れ気味ではあったが防御率1点台、17ホールドを記録した。

【打者】
●荻野貴司
[試合] 143 [打数] 570    [打率] .290
[本塁打] 10 [打点] 45    [OPS] .791 [盗塁] 24
評価:よくできました(A)
全試合に1番としてスタメン出場し、36歳にして初のフル出場を成し遂げた。最多安打と盗塁王のタイトルも受賞し、理想のリードオフマンとしてチームを引っ張り続けた。

●中村奨吾
[試合] 143 [打数] 506    [打率] .283
[本塁打] 9 [打点] 67    [OPS] .797 [盗塁] 12
評価:よくできました(A)
今季から担ったキャプテンの重責に動じることなく、4年連続全試合出場。主に3番・セカンドとして安定した働きを見せた。攻守両面でチームを支え、改めて必要不可欠な存在であることを示した。
●レアード
[試合] 136 [打数] 485 [打率] .262
[本塁打] 29 [打点] 95    [OPS] .809 [盗塁] 0
評価:よくできました(A)
昨季の故障から復活、本塁打王&打点王にあと一歩に迫る活躍を見せた。追い込まれてから変化球を軽打するなど打撃アプローチにも変化が見られた。欲を言えば一塁守備の向上を……。

●藤岡裕大
[試合] 137 [打数] 432    [打率] .255
[本塁打] 3 [打点] 37    [OPS] .658 [盗塁] 10
評価:可もなく不可もなく(C)
ルーキーイヤー以来の規定打席に到達、本職のショートに加えてアマチュア時代から守っていたサードにも就いた。攻守両面で確かな成長が見られたが、打撃はもっとやれるはず。

●マーティン
[試合] 116 [打数] 416    [打率] .233
[本塁打] 27 [打点] 75    [OPS] .855 [盗塁] 4
評価:よくできました(A)
昨年に引き続きチームベストのOPSを記録。打率は決して高くないものの、打線にいるだけで存在感を発揮した。自打球で骨折してからもDHで出場し続けるなどチームを鼓舞し続けた点も立派。

●安田尚憲
[試合] 115 [打数] 351    [打率] .242
[本塁打] 8 [打点] 55    [OPS] .685 [盗塁] 0
評価:がんばりましょう(D)
序盤は4番としてハイペースで打点を稼いでいたが、昨年に引き続き打撃フォームが固まらず、OPSは.700に届かずじまい。苦い経験を無駄にしないためにも、オフの取り組みが重要となる。
●角中勝也
[試合] 107 [打数] 275 [打率] .244
[本塁打] 0 [打点] 29    [OPS] .663 [盗塁] 1
評価:がんばりましょう(D)
前半戦は一定の成績を残していたものの、交流戦明けから成績が徐々に尻すぼみに。若手選手の台頭により代打起用が増えるも、結果を残しきれなかった。選手生命の帰路に立たされている。

●藤原恭大
[試合] 78 [打数] 217    [打率] .217
[本塁打] 5 [打点] 22    [OPS] .651 [盗塁] 7
評価:可もなく不可もなく(C)
今季から勝負の場を本格的に一軍に移し、7・8月は吉田正尚(オリックス)らとの激しい争いを制し月間MVPを獲得した。しかし成績は安定せず、レギュラー定着は来季に持ち越しとなった。

●エチェバリア
[試合] 79 [打数] 207    [打率] .203
[本塁打] 4  [打点] 24    [OPS] .536 [盗塁] 0
評価:がんばりましょう(D)
ファンの度肝を抜くファインプレーの数々に加え、CSでのホームランなど印象に残る場面は多かった。ただ、入国遅れの影響もあってか、打率.203、出塁率.222と特に攻撃面は残念な成績だった。

●山口航輝
[試合] 78 [打数] 203    [打率] .207
[本塁打] 9 [打点] 20    [OPS] .658 [盗塁] 0
評価:まずまずです(B)
高卒3年目の若き大砲は開幕戦で一軍デビューを果たし、豪快なスウィングで9本塁打を放った。確実性や守備面など課題も残るが、来季はレギュラー定着&20本塁打を目指してほしい。
●岡大海
[試合] 110 [打数] 161    [打率] .242
[本塁打] 6    [打点]    18 [OPS] .714    [盗塁]    11
評価:まずまずです(B)
シーズンを通じて一軍に帯同。自慢の脚力で11盗塁を決めたほか、2本のサヨナラ本塁打を放ち「ヒロミナイト」を演出。終盤にはスタメン出場も増え、走攻守で存在感を発揮した。

●田村龍弘
[試合] 70 [打数] 136    [打率] .235
[本塁打] 0 [打点] 14    [OPS] .618 [盗塁] 1
評価:がんばりましょう(D)
巧みな配球や勝負強い打撃で存在感を発揮する場面もあったが、故障による不在が響いた。来季は1年間一軍で過ごし、ドラフト1位の松川虎生ら後輩捕手のお手本となる活躍に期待したい。

●佐藤都志也
[試合] 62 [打数] 132 [打率] .205
[本塁打] 6 [打点] 18    [OPS] .670 [盗塁] 3
評価:可もなく不可もなく(C)
代打やDHなどでの出場が多く、低打率ながら155打席で6本塁打とパンチ力を発揮した。外野を守ることもあったが、来季は首脳陣の信頼を得て捕手としての出番を増やしたい。

●加藤匠馬
[試合] 57 [打数] 105    [打率] .095
[本塁打] 2 [打点] 4    [OPS] .300 [盗塁] 0
評価:がんばりましょう(D)
シーズン途中に中日から加入した強肩捕手。田村不在時にマスクをかぶる機会が多かったが、打率.095、リーグワーストの5捕逸と攻守に精彩を欠いた。肩以外でも存在感を発揮したい。

●和田康士朗
[試合] 96 [打数] 19 [打率] .263
[本塁打] 0 [打点] 1    [OPS] .732 [盗塁] 24
評価:まずまずです(B)
昨年に引き続き主に代走での出場が大半ながら24盗塁を記録し、盗塁王のタイトルを獲得。代走の切り札として、チームのスローガン「この1点を、つかみ取る。」を見事に体現した。

【監督】
●井口資仁
67勝57敗19分 勝率.540(2位) 得失点差+14(3位)
評価:まずまずです(B)
2年連続パ・リーグ2位は大健闘と言える。その一方で、1点にこだわりすぎた采配が仇となった場面も見受けられた。若手をもうひと伸びさせられるかが来季のカギとなるだろう。

文●やまけん

【著者プロフィール】
1999年生まれ、千葉県出身。「一人でも多くのアマチュア野球選手がスポットライトを浴びてほしい」という思いから、関東を中心に全国のアマチュア野球の試合を年間約150試合を球場で観戦するアマチュア野球観戦者。Twitter→@yam_ak_en

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