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【完全保存版】写真で振り返る、石川佳純の軌跡 ベストマッチ5選

世界卓球2014東京大会 石川佳純 vs 李皓晴

続いては、東京で行われた世界卓球2014団体戦での一戦。

エース福原愛を故障で欠きながらも、個の力とチーム力で勝ち上がった日本は、オランダとの激戦を制し準決勝に進出、決勝進出をかけて、香港と対戦した。

写真:李皓晴(リホチン・中国香港)/提供:ittfworld
写真:李皓晴(リホチン・中国香港)/提供:ittfworld

1番で石垣優香(日本生命・当時)が李皓晴(リホチン・中国香港)の粘りのカット打ちの前に敗れるも、2番で石川が、そして3番で平野早矢香(ミキハウス・当時)が驚異的な逆転劇で勝利し、決勝進出まであと1勝に迫った日本女子。

そして4番では石川が登場、1番で勝利し勢いに乗る李皓晴と対戦した。相手の丁寧なプレーの前に、ゲームカウント1-2とリードを奪われ、後が無くなった石川。

写真:世界卓球2014の石川佳純/写真:アフロ
写真:世界卓球2014の石川佳純/写真:アフロ

しかしここから、“世界一美しいフォアハンド”とも称されたフォアドライブと、ミスの無い両ハンドで粘りを見せた石川が、第4ゲームを奪い返す。

最終ゲームも苦しい展開となったが、中盤からラリー戦を支配した石川が11-7で勝利。世界卓球では31年振りとなる、日本の決勝進出を決める値千金の勝利を上げた。

写真:世界卓球2014の石川佳純/写真:アフロスポーツ
写真:世界卓球2014の石川佳純/写真:アフロスポーツ

東京体育館を熱狂の渦に巻き込んだ、日本卓球界の歴史に残る一戦であった。

スコア

〇石川佳純 3-2 李皓晴(リホチン・中国香港)
11-4/8-11/10-12/11-9/11-7

写真:世界卓球2014女子日本代表/写真:平野敬久/アフロ
写真:世界卓球2014女子日本代表/写真:平野敬久/アフロ

世界卓球2018ハルムスタッド大会 石川佳純 vs キムソンイ

続いては世界卓球2018大会での、石川の勝負強さが光った一戦を紹介。女子団体で準決勝に進んだ日本は、韓国と北朝鮮が急遽合同チームを組んだ、「南北合同コリア」との対戦となった。

前例のない異様な状況の中でも、1番で伊藤美誠(スターツ)が勝利し、2番には今大会日本代表キャプテンに任命された石川が登場、リオ五輪では敗れている因縁の相手、キムソンイ(南北合同コリア)と対戦した。

写真:キムソンイ(朝鮮民主主義人民共和国)/写真:新華社/アフロ
写真:キムソンイ(南北合同コリア・朝鮮民主主義人民共和国)/写真:新華社/アフロ

糸を引くようなカットと、隙あらば強烈なフォアハンドで得点を奪うキムソンイと、安定したカット打ちとスマッシュで得点を重ねた石川の一戦は、お互い2ゲームずつ取り合い勝負は最終ゲームへ。

写真:世界卓球2018の石川佳純/提供:ittfworld
写真:世界卓球2018の石川佳純/提供:ittfworld

最終ゲームでも一進一退の攻防が続くも、ゲーム終盤で3回エッジボールで得点するなど、運も味方につけたキムソンイがマッチポイントを握り、追い込まれた石川。

しかし3度の相手のエッジボール、2度もマッチポイントを奪われるという絶体絶命の状況でも、諦めることを知らなかった石川は、16-14という死闘の末勝利を上げた。

写真:世界卓球2018の石川佳純/写真:AP/アフロ
写真:世界卓球2018の石川佳純/写真:AP/アフロ

日本代表キャプテンとしての意地を日本中、世界中に見せつけたこの試合を、4試合目のベストマッチとして紹介した。

写真:世界卓球2018女子日本代表/写真:千葉格/アフロ
写真:世界卓球2018女子日本代表/写真:千葉格/アフロ

スコア

〇石川佳純 3-2 キムソンイ(南北合同コリア)
11-4/6-11/11-8/11-13/16-14

2021年全日本選手権 石川佳純 vs 伊藤美誠

最後は、2021年の全日本選手権の決勝での伊藤美誠(スターツ)との試合を紹介する。

2015年の全日本優勝を最後に、優勝から遠ざかっていた石川。そんな石川に対し、国内外で活躍し、世界ランキングは3位に位置付けていた、伊藤が優勢ではないかと思われていたこの一戦。

写真:伊藤美誠(スターツ)/撮影:ラリーズ編集部
写真:伊藤美誠(スターツ)/撮影:ラリーズ編集部

試合序盤は伊藤がペースを握り、得意の速攻で得点を奪っていく。ゲームカウント3-1とリードを奪い、優勝まであと1ゲームに迫った伊藤。

しかしここから、石川が真骨頂とも言える驚異的な粘りを見せる。

写真:石川佳純(全農)/撮影:ラリーズ編集部
写真:石川佳純(全農)/撮影:ラリーズ編集部

ゲームカウント1-3と追い込まれた5ゲーム目を12-10で取り返すと、第6ゲームは圧倒し11-5で勝ち切り、勝負は最終ゲームへ。

最終第7ゲームでは攻め続けた伊藤に対し、攻めと守りの完璧とも言えるバランスを見せた石川。9-9までもつれたこの勝負は、最後はフォアハンドで2連続得点を奪った石川に軍配が上がった。

写真:石川佳純(全農)/撮影:ラリーズ編集部
写真:石川佳純(全農)/撮影:ラリーズ編集部

全日本での優勝から遠ざかった苦悩の4年間を乗り越え、5度目の日本の頂点に輝いた石川。試合後に見せた石川の涙は、4年間の苦難と、重圧から解放された安堵を物語っていた。

スコア

〇石川佳純 4-3 伊藤美誠(スターツ)
4-11/11-7/7-11/7-11/12-10/11-5/11-9

石川佳純の軌跡を忘れない

いかがだっただろうか。日本卓球界を長きに渡り支え、日本のために戦い抜いた石川佳純の軌跡を、我々は忘れない。

石川佳純の23年の卓球人生に敬意と感謝の気持ちを込めて、そして第2の人生の歩みに期待と応援の気持ちを込めて。

石川佳純(全農)
写真:石川佳純(全農)/撮影:ラリーズ編集部

文:橘川広太郎

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