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【卓球】元日本王者に聞く 若き成長株、木原・大藤・横井の魅力

今月(8月)8日まで愛媛で開かれている「第 91 回全国高等学校卓球選手権大会」。大会は終盤戦に差し掛かり、女子ダブルスで四天王寺高校の大藤沙月・横井咲桜ペアが去年に続き優勝を飾った。連載では、2人の高校の先輩でもありダブルスの日本チャンピオンにもなった藤井寛子さんに、いまの高校生で今後大きく活躍が期待される女子選手について、聞いてきた。(取材・文/二株麻依)

■オールマイティな前陣速攻 木原美悠 きはら・みゆう 
高3/JOCエリートアカデミー・星槎国際高校(神奈川)・木下アビエル神奈川

木原美悠,JOCエリートアカデミー,木下アビエル神奈川

藤井寛子(以下、藤井):ラケットのバック側に表ソフトラバー(表面が粒立っていて、相手の回転の影響を受けにくくコントロールしやすいラバー)を貼っている選手なんですけど、前陣速攻型(台の近くで攻撃的に戦うスタイル)で、イメージ的には伊藤美誠ちゃんみたいな戦い方をする選手です。ダブルスもすごく強くて、ワールドツアーのファイナルでも優勝したことがあるぐらい、中国人選手を相手にしてても物怖じしないというか、すごく冷静に試合運びができたりとか、相手に気持ちでも負けないプレーができる選手なので、技術だけじゃなくて精神的な部分でも世界で勝っていける理由がある選手だなと思っています。
小学生のときから全日本ホカバで優勝していて、将来を買われてエリートアカデミーに入ってるぐらいなので、国を挙げて今、強化している選手の1人ですね。シングルスもダブルスもできるっていうのもすごいと思います。ダブルスは台上での細かい技ができなかったり、動きが悪かったりすると、なかなか向かないのですが、木原さんはオールマイティに何でもできるイメージがありますね。本当に穴があまりない選手です。

■中陣・サーブの名手 大藤沙月 おおどう・さつき 
高3/四天王寺高校(大阪)・日本ペイントマレッツ

大藤沙月,四天王寺高校,日本ペイントマレッツ

藤井:大藤さんも小学校のときから強かったんですけど、ずっと木原さんの一歩後ろに隠れているような感じでした。小学校のときからすごくスケールの大きい卓球をしていて、ラケットの両面に裏ソフトラバー(表面が平らで、回転をかけるのに適したラバー)を貼っているんですけど、体をしなやかに使える選手というのが私の第一印象です。小柄なんですけど体の使い方がとても上手で。威力のあるボールが出せたり、コースをわかりづらく打ち返せたりするのが彼女の大きな特徴かなと思っています。前陣(台に近いところ)で戦う木原さんに比べて、大藤さんは少し後ろ、中陣ぐらい。後ろでプレーするとなるとパワーも必要ですし、フットワークが大事になります。守備範囲が広くなってきてしまうのは当然なので、そこもカバーできる練習量とフットワーク力を持っていると思いますね。
あと、サービスもすごく種類が多くて、上回転・下回転を相手にすごく分かりにくく出すことができます。スピードもあって、相手のレシーブが甘く返ってきたところを、両ハンド(フォア・バック)でガッと攻めていけるパワーのある選手です。
国際大会にも積極的に参戦していて、コーチと一緒に転戦しながら多くの経験を積んできているので、今後より世界で活躍できるようになっていくんじゃないかなと思います。

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