女性アスリートの「困った」に寄り添えるメディアへ!

B&(ビーアンド)というウェブメディアをご存じだろうか。「このからだと生きていく。」をコンセプトとした、スポーツ女子のモチベーターメディア。スポーツメディアは世の中に数多くあるが、女性をターゲットにしたそれは非常に珍しく、日本では唯一無二の存在かもしれない。

 

 

どんな製作方針なのか? 二人の編集者の対談形式でお届けしよう。(文中敬称略)

 

<プロフィール>

・市川紀珠(いちかわ きじゅ)

大阪府出身。父親の仕事の影響で米国にも在住した経験を持つ。小さいころからスポーツが好きで、サッカー・ハンドボール・ソフトボールとさまざまな競技を経験。大学時代は体育会のタッチフットボールに全力を注いだ。2019年、株式会社Link Sportsに入社。

・竹村幸(たけむら みゆき)

大阪府出身。イトマンスイミングスクールで水泳を始め、背泳ぎの第一人者として活躍。2014年の日本選手権では50mと100mを制して2冠を達成した。引退後、セカンドキャリアとしてコーチを経て2023年にB&を運営する株式会社Link Sportsに入社。

 

 

◆セカンドキャリアは現役時代から取り組むべき課題(竹村)

 

 

竹村:小さいころからスポーツに親しんできても、ライフステージごとにスポーツから離れてしまう現状があります。特に、女性は環境の変化などにより、スポーツを続けられないケースが多いんですよね。「B&」は、生涯にわたって「スポーツっていいよね」という気持ちを忘れてほしくないようなメディアを運営しています。

 

市川:入社が早いだけの先輩・市川です(笑)。体が動くかぎりスポーツを続け、仮にプレーができなくなっても応援してほしいのが願い。体を動かしたりスポーツを応援することは、生きていく中で必ず精神的な支えになると思うんです。

 

竹村:現役の選手に対しては現場のリアルな声を届け、参考にしてほしい。スポーツをしている人が抱える問題や、他の人には聞きにくいテーマに対し、課題解決の情報発信を心がけています。女性特有の体のケアや指導者との関係性、そして結婚・出産・不妊治療などライフステージごとに訪れる悩みなど、女性アスリートには悩みが尽きないんです。

 

市川:竹村さんも多くの悩みを抱えていたんですか?

 

竹村:悩みは多かったですが、言えないことがほとんどでした。弱みを見せられないことも多いので。だから今、アスリートにインタビューしていると、「自分が現役のころにB&があったらなぁ」と思います。

 

市川:私は今年の4月で入社3年目となりましたが、大学2年のときからインターン生としてジョインしてたのがLink Sportsとの縁です。もともとスポーツが人生の中にあり、没頭できる大事な存在だったので、こういう仕事に就けて幸せです。だからこそ自分ができることを常に考え、スポーツをする、愛する女性に思いを届けたい。竹村さんは、引退後のセカンドキャリアは、現役のときに考えていましたか?

 

竹村:現役時代は競泳しかしてこなかったので、いざセカンドキャリアの問題に直面すると切実でした。引退後はイトマンのスイミングスクールでコーチを務めていたのですが、Link Sportsとの出会いが大きかった。半年間の業務委託期間を経て2023年3月にジョインしたのですが、30歳まで社会人経験がなかったので右往左往の状態です(笑)。アスリート時代は成績を残すことに必死でしたが、引退すると過去の成績は何も助けてくれません。当時はセカンドキャリアを考えず「今」に集中しろという声もありましたが、現役時代から考えることは絶対に悪くないので、そういった情報も発信していきたいですね。

 

◆現場で生の声を聞けることこそチームとして取り組むメディアの強み(市川)

 

 

竹村:メディアに携わって幸せとの発言がありましたが、どんなときに充実感を得ますか?

 

市川:現場で生の声を聞けることですね。距離の近さというか、瞬間の発見、気づきが新鮮な毎日です。

 

竹村:私の場合、「うまくいったなぁ」という会心の取材はないですね。もっとこうしておけばよかった、ここを聞いていてたら原稿の内容がどう変わっていったんだろうか、という試行錯誤の毎日です。撮影の角度にしても、もっとやりようがあったのでは? という反省ばかり。

 

市川:私だって、完璧にうまくいった取材・原稿なんてないですよ(笑)。それに、メディアって意外にコツコツとした作業が多い。アウトプットに割く時間が大きいし、コスパはよくないんです。でも、待っているユーザーの皆さんに、私が聞いた声を聞けたいという思いがあるからこそ、土俵際で踏ん張れるというか(笑)。

 

竹村:私も現役時代の経験を生かし、今のアスリートの方々に還元したいという気持ちが強いです。

 

市川:SNSをはじめ「個」の発信も強い時代ですが、「B&」というチームで発信していくからこその強み、説得力があると感じています。

 

竹村:そうですね。「B&」の業務委託スタッフにはトップレベルで活躍した(している)アスリートが二人います。、アスリート同士の会話だからこそ悩みが赤裸々に語られたり、寄り添えることも多いと思います。自分自身の経験を開示することで表現されるメッセージ性は、「個」の発信にはないものだと思います。

 

◆男性にも女性アスリートのリアルを知ってほしい(竹村)

 

 

市川:編集部としては成長していると思うけど、まだまだ課題も多いですよね。

 

竹村:アスリートの声をうまく届けるという点で、社会人としての経験がまだまだ足りないと感じています。例えば、インタビューをしたアスリートが発したい課題と、世の中が欲している情報が一致しないことがある部分が今の課題です。そういった事前の情報収集もできていないことが多いし、市川先輩にも迷惑をかけっぱなしです……。現役をやめてから悩むのではなく、事前の準備こそセカンドキャリアの解決策という点は、これからも強く伝えていきたいです。

 

市川:迷惑なんてそんなこと、ないない(笑)。私は「B&」でできることが増えてきている今だからこそ、企画力といった編集部のレベルアップが望まれていると思うんです。簡単にいうと、もっともっと「B&」を知ってもらうために何ができるか。そもそものコンテンツ数だったり、動画にも挑戦していかなければいけないと感じています。

 

竹村:やっぱりアスリート出身者が発信することの意義を強みにしていきたいですよね。

 

市川:はい。将来はコミュニティを強化し、女性がスポーツで何かをしたいのなら「B&かな」みたいな。

 

竹村:困ったことがあったとき、「B&」にきたら解決の糸口が見つかるような感じで成長したいです。関わったらいいことがあるよね、という流れを作っていきたい。それにLink Sports の主力サービスの一つである、チームで活用するアプリ「TeamHub」との連携も必要。やること、山積です。

 

市川:あとは、男性にも女性のリアルを知ってほしいですね。現状を知ってほしい、知ってもらうことで、身近な人と接するときに生きてくると思う。そういうコンテンツも増やしていかないと。

 

竹村:実は今回の企画を終わるにあたり、改めて思ったことがあります。今まではインタビューをする側だったんですが、逆にインタビューを受けたことで自分たちが今、何をすべきかを考え直す機会になったというか……。「私たちがしていることを知ってもらうきっかけづくりが大切なのではないか」ということです。俄然、やる気が出ました!

 

市川:私も「B&」の方向性などを実際の言葉に発することで、やるべきことが整理されたと思います。「B&」のキャッチコピーである『スポーツが好きな女性たちが、自分にとってのロールモデルを見つけることができる「人が見えるコンテンツ」』を発信していきます!

 

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