最高の一瞬『半日待って狙った写真_ウサイン・ボルト(陸上)』

 

ボルト選手のこの3枚目は、100m決勝のゴール直後です。カメラマンはみんなこのときの歓喜のシーンを、とにかく撮りに来ているようなもので、そのために僕も半日ぐらい同じところに座って場所取りをしました。

 

もう単純に、前2枚とは全く違って、この勝者のシーンを、どストレートに1回撮ってみたいと。予選の後に決勝のレーンとかも発表されるので、ここに走り抜けてくるなというのもあらかじめわかるんです。

 

たまたま友人のカメラマンに、同じくこれを撮りたいという者がいたので、トイレとかはお互い順番に行って、とにかくもうここから絶対に動かないようにしようと。

 

その狙えるエリアは、せいぜい5、6人しか入れない感じでした。お昼を過ぎてから夜8時くらいのスタートまで待ったわけですが、やはり3時間ぐらいしたら、チョロチョロ他のカメラマンも来だして。すぐに埋まってしまいましたね。

 

外国人のカメラマンとかどんどん来て、「お前ら本当にここなのか?」とか「いつからここにいるんだ?」とかいろいろ迫られましたが、早い者勝ちなのでずっと動かず(笑)。

 

いよいよ向かって来るときは、やっぱりすごく緊張しましたね。もしかしたらボルト選手が勝てないかもしれないですし。ただ、ローアングルで1列目から撮りたかったので、狙い通り撮れてよかったです。1列目は座りです。胡坐の体勢で撮りました。

 

 

▼田中伸弥(たなか・しんや)

1977年東京都生まれ。
成安造形大学芸術学部芸術学科写真コース卒業。
日本ジャーナリスト専門学校卒業。
JCII主催水谷塾6期生。

大学でアートとしての写真を学び、その後専門学校でスポーツ写真の基礎を学ぶ。水谷塾にて更にスポーツ写真の知識や技術を身に付け、現在はフリーランスのフォトグラファーとしてサッカーを中心にジャンルを問わず様々なスポーツを撮影している。

ANSP(日本スポーツ写真協会)会員
AJPS(日本スポーツプレス協会)会員
AIPS(国際スポーツプレス協会)会員

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