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キャロウェイが「AI開発」の内情をSNSで明かす「実はアイアン開発にAIを使い始めた」

AI技術で初めて市販化されたゴルフ用具が2018年の『EPIC FLASH』

2023年は大規模言語モデル「チャットGPT」が一般に浸透し、日常でも生成AIの進化を多くの人が実感した年になったが、「ゴルフクラブ開発」をAIで牽引するキャロウェイが、その内情をSNSで明かしている。2019年モデルの『エピックフラッシュ』から搭載されたAIフェースは、実はアイアンの開発に使い始めたのが最初だという。
 
「この時AIには『ボールスピード』を向上させることをメインにインプットしました。そこで出来上がったのが【FLASHフェース】で、前年の『ROGUE』(2018年)から大きく飛距離性能がUPしました。AIテクロノジーを駆使し、初めて市販化されたゴルフ用具はこの『EPIC FLASH』ですが、それから遡ること10年前の2009年には、スーパーコンピューターを導入しあらゆる分析を行っていました。そして2016年、ついにアイアンのフェースの試作開発のためにAIテクノロジーを導入しました。実はクラブづくりにおいて、ドライバ―より先にアイアンでAIを使い始めていたのです。
 
『MAVRIK』(2020年)、『EPIC SPEED/EPIC MAX LS』(2021年)のフェースの裏側の凹凸の違いはAIにインプットした情報が異なり、はじき出された答えが違います。『MAVRIK』に採用された【FLASHフェース SS20】は、『EPIC FLASH』で培ったボールスピードを基にオフセンターヒット時でもスピードが安定するようにAIにインプットしました。さらに『EPIC SPEED』では、AIはフェースだけではなくJAILBREAKテクノロジーの解析と設計も行い、さらにポールスピードを追求し誕生したのが、【FLASHフェース SS21】です。EPICの発売された2021年には、リアルゴルファーのスイングデータ (SWING CODE)をAIインプットできないか?検討を始めました。
 
まだ記憶に新しい『ROUGE ST』(2022年)に採用された【FLASHフェース SS22】では、ついに『ボールスピード』だけでなく、飛びの三要素に必要な『適正な打ち出し角』と『適正なスピン量』までもAIにインプットさせました。これらにより、安定した方向性と飛びを実現したのです。この時期、リアルゴルファーのスイングデータ (SWING CODE)をインプットした試作ドライバ―が完成しました」(同社広報)

同社のクラブ開発における「AI活用の歴史」をまとめると下記のような時系列になるが、その説明内に現行モデルの23年作『パラダイム』シリーズは含まれていない。
 
09年/スーパーコンピュータ導入
16年/アイアンフェースの開発にAIを導入
19年/フェース真ん中のボール初速向上(EPIC FLASH
20年/フェース真ん中以外のボール初速向上(MAVRIK
21年/フェース以外のJAILBREAKも設計(EPIC SPEED
21年/スイングデータのAI導入を検討開始
22年/初速・打出角・スピンの三要素を計算(ROUGE ST
22年/スイングデータを計算した試作品が完成
 
そして、約10日ほど前には「WHERE THERE’S SMOKE(煙のあるところに)THERE’S DISTANCE(飛距離がある)」のメッセージを込めた動画と共に「2024.1.5. Coming soon🔥」と、意味深な投稿をした同社。爆発的なAIの進化で、現在は開発がどこまで進歩しているのか。上記の“キャロウェイAI史”にもしや、新作のヒントが隠されている!?

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