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悔やまれる16番ボギーは攻めた結果 笹生優花がメジャー単独2位の土産を手に、全米Vの西海岸へ

笹生優花は惜敗も2位フィニッシュ。勢いそのままに全米女子オープンへ!(撮影:南しずか)

<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 最終日◇25日◇バルタスロールGC ローワーC(米ニュージャージー州)◇6621ヤード・パー71>

笹生優花の豪快なゴルフと攻めの気持ちがサンデーバックナインをおもしろくした。首位から出たレオナ・マグワイア(アイルランド)に代わり、リーダーボードの最上位が入れ替わったなかで、一時は2打差以内に10人がひしめく展開。笹生もじわりと順位を上げ、争いの中心人物になっていく。

首位と5打差からスタートした最終ラウンドは、前半でバーディが1つ。この時点で優勝争いは厳しいかと思われたが、メジャー大会はやはり日曜日の後半にドラマが待っている。雷雲接近による2時間の中断が明けた10番でチップインバーディを決めてのろしを上げると、12番で8メートルを沈め、13番では30センチにつけるスーパーショット。笹生の目がするどくなっていく。

「きょうは苦しんでいたので、リーダーボードを見る余裕があまりなかった」と振り返った序盤の戦い。周囲のスコアを見ずとも、遅れをとっていることは肌で感じたはず。ギアを上げていった後半は見事な猛攻だった。15番でも奥から7メートルをねじ込んでバーディ。ついに首位に並んだが、続く16番パー3。左のピンに対してティショットは左のバンカーへ。ここでボギーを叩いたのも、「メジャーで大事なのは楽しむこと」と笹生らしく攻めた結果だ。

続く17番パー5でも3打目を寄せたがパー止まり。18番は左に池が広がるロケーションで、気持ちよくドライバーを振り抜き、遥か先のフェアウェイを捉えた。「池には入れたくなかった」と振り返るが、ためらいなく振りちぎった一発でプレーオフ進出の望みをつないだ。グリーンを狙った2打目はバンカーへ入りイーグルこそ逃したが、3打目のバンカーショットをOKの距離に寄せてバーディフィニッシュ。「楽しかった」と、しびれる優勝争いに笑顔が咲いた。

「いままでやってきたことがすこし実ってよかった。まだやることはあるけど、いまはとてもハッピー」。衝撃の「全米女子オープン」制覇から2年。メジャー2勝目にあと1打と迫ったバルタスロールの戦いが、これからはじまる夏の陣に光をともした。(文・高桑均)

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