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「頑張っても、頑張らなくても1オーバー」から脱却 新垣比菜が今季自己ベスト『66』でカムバック

新垣比菜が今季自己ベストで急浮上。久々のトップ10入りを狙う(撮影:福田文平)

<日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯 2日目◇8日◇パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ(長崎県)◇6755ヤード・パー72>

直近10試合で7度の予選落ち。この試合前も3試合連続で決勝ラウンド進出を逃し、苦しい時間を過ごしていた新垣比菜が、そのうっぷんをメジャーで晴らすような活躍だ。今季の自己ベストスコアとなる「66」は、全体を見渡してもこの日の最高成績タイ。順位も初日の3オーバー・73位タイから、トータル3アンダー・14位タイと大きく上げた。

「3つくらい伸ばせればいいな」。そんなラウンド前の願いは、この日6アンダーと倍になって返ってきた。最初の見せ場は前半の15番パー5。残り120ヤードの3打目がカップ手前1メートルに落ちると、そのまま決まった。カップインの瞬間もしっかりと見届け、一気に流れに乗る。その後も17番でバーディを上積み。後半もOBエリアが浅く、2日間難易度1位の3番パー3で奥3メートルのバーディパットを決める。前日ダブルボギーだったホールでリベンジも果たした。

ショットイン・イーグルについては「自分の中で、いい感触で入りました。毎ショットあの感じで打てたらいいのにな」と振り返る。それは「たまにいい感触の時はあるけど、まだちょっと違うなというものも多い」と、ショット面の修正に取り組んでいる今はなおさら。その最中で訪れた、完璧なスイングだった。

昨年秋から青木翔コーチに師事。現在は、スイングの違和感を払しょくするためアドレスのズレや、フォローでクラブが外に出るクセを抑え、体の近くで振ることなど修正を図っている。すでに指導を受け始めてから1年が経過。「みっちりと言ってくるわけではないのがちょうどいいんです」と、いい関係を築き、取り組みを続けている。

予選落ちが続いた時は、明らかにどこかが悪いというわけではなく、かみ合わなさを感じていた。それでなかなかアンダーパーを出すことができない日々。そのため「頑張っても、頑張らなくても(結果は)1オーバーくらい。『きょう頑張ろう』と思っても、これくらい」と、やるせなさすら感じていた。前を向く意味でも、この日の「66」は大きな意味を持つ。

「こんな出せるんだ」と驚いたラウンドを、しっかりと決勝ラウンドでも継続したい。猛暑の影響でグリーンの芝が枯れ、「ペタペタ」の状態のなかパターでも粘りを見せた。「すごいうれしい」と、今季8度目の60台を良薬にすることはできるか。「またアンダーで回れたらいいなと思うけど、探りながらのプレーにはなると思います。毎週アンダーで回れるような、きっかけを見つけられれば」。

現在、147.73ポイントで85位につけるメルセデス・ランキングを大きく上げ、第2回リランキング突破、さらに20-21年シーズン以来となるシード復帰を目指す。2日を残し、首位とは6打差。浮上への“きっかけ”探しの旅は、女子プロゴルファーの頂点を目指す争いに進路が変更されるかもしれない。(文・間宮輝憲)

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