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これぞ“女子プロNo.1決定戦”の緊迫感! 女王、歴代覇者…上位に看板選手たちがひしめき合い

左から山下美夢有、西郷真央、小祝さくら、稲見萌寧(撮影:福田文平)

<日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯 2日目◇8日◇パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ(長崎県)◇6755ヤード・パー72>

“女子プロゴルファーNo.1”を決める大会は、その名にふさわしく実力者たちが上位を争う展開になった。トータル9アンダーの首位にはツアー通算9勝の小祝さくら、そして1打差の2位に同5勝の西郷真央が続く。さらに3人が並ぶトータル6アンダー・3位タイのうちの2人は歴代覇者の稲見萌寧、そして昨季年間女王の山下美夢有と、現在の看板選手たちが優勝争いをけん引していきそうだ。

小祝さくらは、猛暑の影響で芝が枯れ、砂交じりになったことで硬く、速くなったグリーンに感覚を合わせながらボギーフリーで2日目を終えた。フェアウェイキープは14ホール中6回だったものの、パーオンは16ホール。「ショットは悪くない」と、本人にとっても2打目以降の感触は良好だ。

ここで勝つと節目の10勝目。二桁勝利到達は、黄金世代最速となる。それがこの大舞台で…となれば絵になるが、本人は「メジャーという意識はないです。プレー中にそんなことを考える余裕もないくらい。毎ショットベストを尽くすだけですね」と、目の前のプレーに集中していく。

昨季終盤から悩まされてきたドライバー不振もすっかり快方に向かっている印象の西郷は、初日にタフな午後組で5アンダーを記録しトップに立つと、2日目も「69」で上位を守った。「最後に切れることが多く、パターがきょうはずっと入らなかった」と、チャンスがこのコースの特徴となっているグリーンの傾斜に阻まれるシーンが目立つことに。それでもきっちり2日間60台を記録した。

遅くにホールアウトした初日は、すぐにホテルに戻り睡眠時間確保に励んだ。「寝ないと疲労が蓄積してしまうので」と7時間30分の睡眠で体力を回復。普段からマイ枕を持ち込み、その質を維持している。「変わらず、自分のプレーを全力で頑張りたい」。来季から米ツアー進出を目指すため、ここで勝てば手に入る3年間の複数年シードはノドから手が出るほど欲しいもの。昨年5月以来の6勝目を挙げれば、大きな1勝になる。

山下は、6番からの4連続バーディで一時トップに立ったものの、後半に入るとやはり「言葉では表せない難しさ」というグリーンに手を焼き、15番、16番の連続ボギーで後退した。「一番の目標はボギーを打たないこと。パー5(15番)でもったいない」と76ホールぶりのボギーを悔やんだ。

初日にエースの松村卓キャディが救急搬送されるトラブルもあり、2日目からは急きょ大阪桐蔭高時代の同級生に頼み、バッグを担いでもらった。そのコンビで11番、12番では長いパーパットを沈めるなどピンチも乗り越えながらのラウンド。「少しでも伸ばせるように頑張りたい」と、“奪首”を目論む。

2021年大会を制した稲見も、選手権2勝目、そして今季初優勝へ好位置についた。「グリーンが硬く速くなっていて、滑っていく感じが本当に難しかった。アゲンストでもなかなか止まらないんじゃないかってぐらい前に跳ねていく」と1つ伸ばすにとどまったが、優勝圏内に踏みとどまっている。

稲見も開幕当日にキャディ交代のトラブルがあったが、2日目からは新コーチの柳橋章徳氏とのタッグでコースに出た。「後半はグリーンが難しくて、シビアになってきたら、ちょっとショットがズレてきたりもしたので、なるべく修正できるように頑張りたい」と話しているだけに、その存在は心強いはず。「ずっと上位で、優勝を狙っていけたらいい」と2つ目のカップを視界に入れる。

この他にも、18年大会覇者の申ジエ(韓国)が、トータル5アンダー・6位タイ、今季2勝の岩井千怜がトータル4アンダー・10位タイにつけるなど、気の抜けない緊張感がリーダーボードからも漂ってくる。風とグリーンと暑さとの戦いも乗り越え、名誉ある称号を手にするのは一体誰になるのか?(文・間宮輝憲)

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