クラブ選びに重要な感覚とは?【最終回・QPのギアマニュアル】

今回が最終回、またお会いしましょう!とQP

これまで読者のみなさまには、現代の間違った常識を指摘しつつ、今のクラブの自分に合った正しい選び方を紹介させていただきました。しかしですね、私も長年フィッティングをやっていますが、一般論では説明がつかない事例もたくさんあるのです。アマチュアだけでなく、プロでもそうです。
 
例えば、ドライバーから下の番手にいくにつれて徐々に重くなっていく重量フローが理想です。しかし、女子プロのクラブセッティングを見ると、ドライバーのシャフトは60グラム台のSを使っているのに、他のフェアウェイウッドは、50グラム台のRなんていう人もいます。完全に一般論と逆転しちゃっています。
 
長年フィッティングをやっていると、ギア選びの一般論が当てはまらないことがよくあります。14本のうち1つだけ重量が軽くてもそれが振りやすいと感じる人がいたりします。プロのセッティングを見ても、なんで?と思うことはよくありますが、それは自身の感覚に合うからです。よほど大きなミスが出ていない限りは、数値にとらわれず、感覚を優先して選ぶのはいいことなのです。
 

14本のクラブをできるだけ同じ感覚でスイングするために、重さや長さなど数値を揃えることは目安として大切なことですが、例外があることも忘れてはいけません。机上の数値オタクになりすぎるのはよくありません。
 
お店にフィッティングに訪れるお客さまに対して、「14本の中で一番気持ちよく振れるクラブはどれですか?」と最初に聞きます。そうするとお客さんの中には、ユーティリティの1本だけシャフトがぐにゃぐにゃで変なスペックのモノが入っていて、「それが一番気持ちいい」「打ちやすくて変えられない」という方もいらっしゃいます。
 
他のクラブの流れに合わせて、一番振りやすいクラブを替える必要はありません。逆に振りやすいクラブに揃えるという手段もありますが、スペックが違っている一番振りやすいクラブに、ほかのクラブを合わせるのもナンセンス。ただのアンダースペックになってしまうかもしれません。14本の流れも大切ですが、自分が扱いやすい1本があれば、それはそれでいいのです。
 
やはりゴルフクラブというのは、どこまでいっても道具です。自分の感覚を優先させることを忘れてはいけません。ただし、変なスペックが入っていてそのクラブでミスが続発するようでしたら、一般論に当てはめて見直すことは必要です。クラブのせいでミスをしているケースも多々ありますので。
 
やはり人間は機械ではないので、ギアの選び方の一般論とズレることはあります。つかまりやすい仕様でもつかまらない人や、逆につかまらない仕様でつかまりやすくなる人もいるぐらいです。
 
この連載の最初にもお話しましたが、クラブ選びをする際に自分の感覚を信用してほしいのです。ボールを打った感覚に加えて、見た感じでロフトが寝ていると思ったら、表示よりも寝ていますし、振った感じでシャフトが軟らかいと感じたら、表示以上に軟らかかったりするものです。人間の感覚はわりと鋭いモノです。そのクラブに対して自分が感じたことを大切にしてクラブを選んでください。
 
こだわりのクラブを使い続けることもいいことですが、一つ言えることは技術者が知恵を絞って作り出した最新のクラブは、飛距離性能や上がりやすさ、スピン性能など何かしらの性能はアップしているということです。新しいモノを使うことで、ゴルフが楽になることは間違いありません。その新しいクラブを手に馴染ませることも忘れてはなりません。
 
道具の進化は、スイングをよくするエッセンスともいえます。例えば、慣性モーメントが高いヘッドは曲がりにくくなっています。ですから、曲がりを気にせず振り切れるので、ヘッドスピードが速くなって球が飛ぶようになります。また、バンスが大きいウェッジは、バンスが先に当たることでリーディングエッジが突っかかりません。そう思えると鋭角に上から入れようという意識がなくなり、ダフってもいいから手前から入れようとすることで、滑らせるように打つスイングになっていきます。
 
クラブの進化や効能と向き合いながら、自分の感覚を信じてクラブ選びをすることは、かならずやあなたのゴルフの助けになることでしょう。今回でこの連載も最後となります。また、どこかでお会いしましょう。

関雅史(せき・まさし)/1974年生まれ、東京都出身。PGA公認A級ティーチングプロの資格を持ち、クラブフィッティングも行う。東京・駒込のゴルフスタジオ「ゴルフフィールズ」で活動。

関連記事