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おやじゴルフニュース「最近のコースでの打ち込み、打ち込まれ問題について」

イラスト・とがしやすたか

ゴルフボールの打ち込みは、昔は漫画のネタによく使われました。例えばこんな話です。お金持ちゲストが自分の名前入りのボールを使用しています。そのボールをたまたまOBで紛失しました。それを遠くで見ていた悪者がボールを拾い、昼休みに血糊を付けてレストランに怒鳴り込むのです。「おたくの名前が書いてあるけど、さっき打ち込まれて頭に当たった、どうしてくれるんだ、イテテ~」なんて展開です。

そんなコントみたいな話があったと、まことしやかに囁かれたのが昭和時代。それからバブル時代となり、オラオラ系の活躍で本当に打ち込む人が続出、私も何回か打ち込まれたことがあります。ひどいのはパターを打っているのに、そのグリーンをオーバーして打ってきましたけど。豪快な人がいるもんだ。

時代は変わり、今の打ち込みははっきりしないステルス型とでもいうのでしょうか。最近はビギナーゴルファーの増加で、過失による打ち込みや、グレーゾーンの打ち込まれが増えています。その背景は何か? 探ってみます。


1)ボールを打ち込んでしまう問題
通常セルフプレーの場合、ナビゲーションボードを見て、前方の乗用カートの位置を確認し、かなり離れたから大丈夫と思ってティショットを打ちますよね。

ところが安心して打ったのに、突如人が現れてボールが当たりそうになった、そういうことがたまにあります。これは前の組の乗用カートが、人より先に行くから起きるのです。誰かが早とちりして、カートのリモコンボタンを押してしまうんですね。

実際は途中のくぼんでいる部分に人がいて、ボール探しをしていたとかで、こういうことがあるのです。だから打つほうは直接コースを見て、人がいないか確認することが大事です。非は先にカート進めた前の組にありますが、ボールを打ち込んで、ましてや人に当てては、もともこうもないです。細心の注意を払ってゴルフをしましょう。

2)認識の違いで打ち込みが起きる
打ち込みはパターを打っているグリーンに、ドスンとグリーンにボールが落ちることを指します。しかし、由緒正しき倶楽部の人たちは、ボールがグリーン近くに落ちても、打ち込みになると解釈しています。

キャディ付きラウンドが普通の名門倶楽部は、キャディがプレーの進行を進め、打ち込み禁止ルールを厳格に決めていることが多いです。グリーン手前なら50~100ヤードまで打ってはならないと。つまりパットを打っているときに、手前にドスンとボールが落下したら気分が悪いし、集中力も途切れるというわけです。

そういうメンバーさんが前の組にいて、パットを打っているときにグリーン手前にボールが落ちてくる。そりゃカチンときますよね。「そのボール、うちのコースじゃ打ち込みだよ」と言って、後方のプレーヤーを睨んだりしてね。

だからグリーンに直接打ち込まなければセーフという考えはないです。やはりグリーン手前、50ヤードぐらいまで打ってはいけない。そう考えていたほうが無難です。


3)打ち込みを未然に防ぐには
打ち込みを防ぐには、同伴者の意見を伺い、同意を得ることが大事です。自分だけの判断で「絶対届く距離じゃない」と思ってますが、同伴者は「そのクラブ、さっきバカ当たりしたじゃん、しかもボールはセミラフにあって、フライヤーが出やすい、やめたほうがいいよ」と、的確なアドバイスをしてくれます。

打ち込みをする人は、ゴルフを覚えて4~5年目あたりで、上級者に連れられるゴルフを卒業し、自分らの仲間でゴルフをやり始めています。しかも成長著しく、飛距離がどんどん伸びている。長い距離が残ったりすると、興奮してアドレナリンが出まくりです。だから届かないと思った距離に、ボールが届いたりするんですよね。

今述べたように伸び盛りでベストスコアも毎年更新しているような人が打ち込みやすいです。というわけで今度は打ち込まれる場合です。


4)性格的には勝気な人が打ち込む
今から30年ぐらい前、グアム島に仕事で行き、オフ日があったのでみんなでゴルフをやりました。いざスタートってときに、突然後ろから乗用カートが爆音を上げて寄って来ました。見るからにヤンチャそうな、イケイケ風のお兄さん方で、ガン黒に日焼けしていました。

こっちは色白のメガネの文科系青年です。そして彼らは乗用カートをぴたっと後ろにつけて、先に譲れみたいな圧をかけて来ます。一緒のカメラマンが「先に出させます?」と聞いて来る。そこでなぜか強気に出てしまい「いいよ、順番はこっちが先だからスタートしよう」と仲間に言ってしまったのでした。

そこからはゴルフをした気分じゃなかったですね。さすがにダイレクトな打ち込みはなかったですが、かなり近くにボールを打ってきました。日本じゃ完全にアウトです。それに乗用カートが常に後ろにいて「早く打たんかい」という圧をかけられまくりでした。結局、無我夢中でボールを打ち、疲れだけが残り、ゴルフは楽しくありませんでした。

あの頃は若かった。今なら「うちら初心者なんでお先にどうぞ」と、言います。そのほうがなんぼ楽なことやらです。打ち込みも同様、そんなに先に打ちたいならと、順番を変えて先に行かせるのもテですよね。

5)新しい打ち込みのタイプが発生
そして現在、従来のオラオラ系打ち込みはほとんど見かけなくなり、新しい消極的な打ち込みが増えている気がします。

グリーン手前に打ってしまった後に、びびり過ぎて謝れない人、責任感が弱くやった行為を他人事に感じる人がいるのです。そうゆう人は、グリーン近くに打ち込んだボールに対し、自分のものではない、まったく身に覚えがないそぶりをします。

そしてバツが悪いのか、わりと遠巻きにいます。こっちが睨むと目をそらして、関係ないふりをするから笑えます。こういう場合は、こちらも気分が悪いけど、実害はなかったので何事もなかったようにして、プレーを進めるしかないですね。
 
6)無かったことにする症候群
ここ1~2年で気づくのは、フェアウェイに今しがた打ったと思えるボールが、結構落ちていることです。この誰も回収に来ないボールは何でしょうか?

従来なら隣のホールにボールを打ったら、ショートアイアンを持って隣のホールから木越えショットを打たねばならない。けどビギナーの皆さんは、そういうリカバリーは技術的に難しいです。だから勝手にワンペナ扱いにして、自分の都合のよい場所から打ち直してしまうんですね。

じゃ隣のホールに飛んだボールはどうなるのか? 頭を下げて取りに行くのが面倒臭い、あるいはプレーヤーがショットを終えるまで待てないのでスルーし、放置しているようです。


最近、トラブルを起こしてテレビのニュースになった人たちのコメントを聞くと、「身に覚えがない」「知らない」「気づかなかった」ということが多いです。若い人たちは、自分のやった行為を本当に覚えていないのか、またはシラを切ることが当然になっているのでしょうか。

ゴルフはスコアがよくても悪くても、自分のやった行為に責任を持つスポーツです。くれぐれも、そこをお忘れなくですね。

■プロフィール■
木村和久
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
 
とがしやすたか
1959年生まれ。東京都出身。「青春くん」などで知られる4コマ漫画家。ゴルフ好きが高じて雑誌でラウンドレポートなども展開。

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