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45歳・武藤俊憲のパッティングコーチは23歳!「古いおっさんより新しい時代(笑)」

45歳はまだまだ元気! 武藤俊憲が7アンダーの好スタートを切った。(撮影:福田文平)

<長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ 初日◇29日◇ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(北海道)◇7178ヤード・パー72>
 
2020-21年シーズンに14年間守ってきた賞金シードを失い、19年の優勝による複数年シードで戦った昨シーズンも、賞金ランキング77位で奪還はならなかった武藤俊憲。ツアー通算7勝の実力者も今年で45歳となった。

「先週優勝した谷原(秀人)と一緒で、僕の体も日替わり。昨日動いていたのに今日は動かない。一晩寝たらまた動くとか…」。だんだん思い通りに動かなくなる体と折り合いをつけながら、今季はQT2位の資格でシーズンを戦っている。
 
その武藤が初日、最初の3ホールで2ボギーを先行させながら、そのあとの15ホールで1イーグル・7バーディを奪い、7アンダー・2位タイの好発進を決めた。最終9番パー5は「10メートル以上」の長いバーディパットを沈めて、「いい流れで一日終わったかなと思います」と笑顔を見せた。
 
この日のプレーについては、「バーディは長いのもありましたけど、ほぼほぼ1ピン以内ですし、短いパットも3回くらい1メートルを外したのかな(笑)」と振り返る。ショットでつけて爆発的なスコアを出すスタイルは、いまも変わらないことを証明。「いつものいいときの武藤のゴルフかなという感じはします」という言葉まで飛び出した。
 
現在の賞金ランキングはシード圏外の75位で、今年も苦しい戦いが続いている。そんな武藤の目標はオフに一緒に合宿を行うツアー通算20勝の谷口徹。現在55歳の谷口は19年に50歳で勝った「日本プロ」の5年シードで25年までレギュラーで戦うことができる。まだ『生涯獲得賞金25位以内』の資格も残しているため、それを行使すると58歳で迎える26年シーズンもレギュラーツアーにいることが可能だ。
 
「僕の目標はあくまでも谷口徹。50歳で優勝したいけど、それにはあと5年(レギュラーに)残らないといけない。そういう意味ではまだまだやりたいなと思います」。前週は1個年下の谷原秀人が若手を振り切って優勝したことも刺激になり、武藤のモチベーションは高い。
 
上手くなりたいと思う気持ちはこんなところにも。4月の「中日クラウンズ」に予選落ちしたあと、河本力のパッティングコーチを務める丸山颯太氏に習いに行った。「古いおっさんのいうことを聞いても、新しい時代ではないので(笑)」という丸山氏の年齢は23歳。親子ほど年の離れたコーチからパッティングのノウハウを吸収した。
 
といいながら、谷口の教えも忘れていない。「谷口さんの言っていることと、丸山くんの言っていることは重なるんですよ。そういう意味で言っていたのか、と気づいたり。だから、何をやっているんだろうっていう思う練習方法でも意味がある」と話す。今大会の練習日には、パッティングの軌道が描かれたシートを練習グリーンに敷いて、もくもくと球を転がす武藤の姿があった。これも丸山氏に教わった練習の1つなのだ。
 
45歳での新しいチャレンジについては、「カップのフチに引っかかったやつが、クルッと回るんじゃなくて、入ってほしい。それだけなんです。3回のリップが1回になればいいじゃないですか。1日1打でも4日間なら4打なのでだいぶ違います」という思いがある。20年近くツアーの第一線で戦ってきた男は、今年で終わるつもりは1ミリもない。(文・下村耕平)

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