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歴代2位! 67歳217日で予選通過の倉本昌弘、熟練マネジメント光る「69」

まだまだ若い! 67歳の倉本昌弘が決勝ラウンド進出(撮影:福田文平)

<関西オープン 2日目◇14日◇泉ヶ丘カントリークラブ(大阪府)◇7051ヤード・パー71>

67歳の倉本昌弘が「69」をマークし、トータル2アンダーでホールアウト。決勝ラウンド進出を決めた。杉原輝雄(68歳311日、2006年つるやオープン)に次ぐツアー歴代2位の年長予選通過となった。

かつてはその筋肉の盛り上がった肉体からポパイの愛称で呼ばれた倉本。筋力トレーニングを導入した先駆者として、小柄ながらツアーでも屈指の飛距離を誇った。そんな倉本も67歳となったいま、圧倒的な飛距離を叩き出す若手選手に混じってのレギュラーツアーの戦いはどんなものなのか。

2日目の2バーディ・ボギーなし「69」というスコアには「マネジメント通り。これだけ硬いグリーンで飛距離が出ないと、セカンドを長いクラブで打たなきゃいけない。そうすると、どこを狙ってどこに乗せなきゃいけない、という風にかなり気を使った。その結果がノーボギーにつながったんだと思います」と倉本。

コンパクション(硬さ)が25、場所によってはもっと硬くなっているところもあるというグリーンへのショットでは、グリーンに着弾する角度が浅いとボールは止まらず転がって奥へ行ってしまう。ラウンド後にゲストとして『ALBA TV』の放送席に呼ばれた際にも「シニアのセッティングだと1ヤードも転がらないけど、ここのグリーンだと7番アイアンで8ヤードも転がるんです。もしグリーンの落下地点が下り傾斜だったりしたら、15ヤード以上転がってしまいますね」と攻略の難しさを指摘していた。

若く飛距離の出る選手なら、セカンドを短い番手で打てるため、高く上げて上から落として止められるが、飛距離の出ない選手は距離が残るため、長くロフトの少ないクラブで打たざるを得ない。普通にピンを狙っていたのでは、チャンスに付けることができないのだ。倉本がマネジメントの要点に上げたのが「ピンを狙わないこと」だという。

つまり、止まらないグリーンに対してピン側へつけるには、「手前から攻めるしかない。だからピンが手前に切られているホールは、落とし所がない分逆に嫌だった」と語った。今回の予選通過は、倉本が持つ、“熟練のマネジメント”によって成し遂げられたと言っても過言ではない。

永久シード選手としてレギュラーツアーへ出場できる権利を持つ倉本だが、今シーズンでレギュラーへの出場は最後にすると口にしていた。「ひとつの席があるから、権利があるからと言って、いつまでも出続けるというのは僕の信念とは違う」と自身の気持ちを明かしたが、今回の予選通過で、条件によってはまだまだレギュラーでも戦えることを示した。エージシュートへの期待も高まるなか、決勝ラウンドへ向け、ベテランの奮闘に期待が集まる。

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