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卓球未経験の指導者でもできる3つの手助け|頭で勝つ!卓球戦術

卓球プレーヤー向け 卓球未経験の指導者でもできる3つの手助け|頭で勝つ!卓球戦術

2022.05.26
文:若槻軸足(卓球ライター)

卓球ライター若槻軸足がお届けする「頭で勝つ!卓球戦術」。今回は、「卓球経験のない指導者でもできること」というテーマでお伝えしておく。

近年、学校の部活動では様々な事情が相まって、自身にその競技の経験がないにも関わらず監督・顧問として生徒を指導しなければならなくなった、というケースが多くなってきた。

卓球ももちろん例外ではない。私も中学の部活動で卓球を始めたが、競技経験のある監督が居たのは最初の1年間だけで、あとの2年間は監督からの技術指導はほとんどない中で活動してきた。熱心な先生で、特に不満を抱いていたこともないのだが、もしより技術的な指導があれば、その後の卓球人生は変わっていたかもしれない。

とはいえ自分自身がやったことのないことを人に教えるなど、到底無理な話である。ただ、競技経験がないからと何もできることがないのかというと決してそんなことはない

そこで今回は、卓球の経験がない方でも選手の役に立てることについて、私なりの考えをお伝えする。

このページの目次

  • [6 若槻軸足が書いた記事はこちらから]()

卓球経験のない指導者でもできること①:動画撮影

まず最も簡単と考えるのが、動画撮影である。

選手自身が自分の打球フォームや身体の動きを客観的な視点で捉える方法は、動画で撮影した映像を見るほかない。

私は小学生時代に空手をやっていたのだが、道場は壁の一面が鏡になっており、そこで突きや蹴りといった自身の動作についてを確認しながら練習していた。体の使い方が間違っていないか、腰がしっかりと落ちているか、伸ばすべきところが曲がっていないか、などを鏡で見ながら確認することができるのだ。ダンスやバレエでも同様であるはずだ。

これは、卓球でも同じである。スイングが不自然になっていないか、ボールに対して足がしっかり動けているか、等々を確認することは非常に大切なのだ。第三者の視点でチェックしてもらえれば最も良いが、それが難しければ、自分で自分をチェックするほかない。

特に小学生・中学生といった競技を始めたての選手は、最初に癖のあるフォームを覚えてしまうと、その後に矯正するのは時間が経てば経つほど難しくなってくる。そうならないためにも、競技を始めて早い段階で自身のフォームをチェックする必要があるわけだ。

その為の撮影を監督がやってあげるだけでも、十分に選手の役に立てるはずである。三脚とタブレット端末があれば今すぐできるので、すぐにトライしてみよう。

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           ## 卓球経験のない指導者でもできること②:情報の提供

1つ目の動画撮影とも関連するが、選手の課題を克服するための情報を集めて提供するのも立派な指導である。

選手自らが「これが課題です」と言えば、それを克服するのに役立つ情報を集めればよい。あるいは選手の試合の動画を撮影して「この技術のミスが多い」「こういうシーンでの失点が多い」といったものを見つけて、それを解決するための情報を提供することもできる。

選手本人は自分自身の課題に気付いていないことも多いので、それに気付かせてあげられるだけでも大きな効果があるだろう。

例えば、「チャンスボールに対するミスが多い」ということが分かったとすれば、それを選手に教えてやるとともに、インターネットで「チャンスボールをミスしない方法」といった具合に検索してみれば、なんらかの解決策は得られる。そして、それを選手に伝えてあげればよいのだ。

そういった情報が一番手軽に見つけられるのは、やはりYouTube等の動画サイトだろう。もちろんRallysのYouTubeチャンネルでも技術紹介動画があるので大いに参考になるだろう。さらには、私の卓球戦術シリーズも読んで頂ければ嬉しい。ジャンルごとに見やすくまとめた電子書籍版も発売しているのでぜひ参考にしていただきたい。

卓球経験のない指導者でもできること③:球出し

最後は多球練習の球出しである。

経験者であろうとなかろうと、監督・顧問である以上やはり球出しぐらいはできるようにならなければいけない。ノックができない野球監督はおそらくいないだろう。それと同じだ。

球出しをする際に、まず必要となるのはラケットだ。使われなくなった古いラケットが部室にあるかもしれないが、できれば新たにラケットとラバーとを購入することをおすすめしたい。

競技を始めたての選手はラケットの選び方やラバーの良し悪し、ひいてはラバーの貼り方も分からず、そういったことをひとつずつ覚えていかなければならない。それらを監督も経験していれば、同じ悩みを共有できて選手と同じ目線で話をすることができるのだ。

「ラケットを買ったことがないから全く知りません」では、選手とのコミニュケーションの機会を得ることすらできないわけだ。もちろん、必ずしも高価なものを選ぶ必要はないので、競技としてプレーできるくらいのラケットはしっかりと自身で用意したい。

そしてラケットを購入したら、いよいよ球出しに挑戦だ。球出しにも技術が必要で誰しもが簡単にできるわけではないので、ここは監督も練習が必要である。

まずは1球ずつゆっくりでいいので、おおよそ同じコース、同じ高さにボールを送り続けられるようになろう。それができれば、テンポ良く連続で出せるようにして、なおかつ複数のコースに出し分けられるようになろう。さらにはドライブ回転のボールや、下回転のボールといったように回転をかける技術も覚えたりと、ひとつずつステップアップしていけばよい。

そしてこれら球出しの練習は、ぜひ練習の休憩時間に行うことをオススメする。

競技の経験がない指導者だと、最初はどうしても選手からの信頼を得る機会は限られてくるだろう。しかし、休憩時間中に球出しの練習をしているだけでも、「少しでも力になろう」という姿勢や気持ちは必ず選手達に伝わる

そして休憩時間に1人で黙々と球出しをしていると、たいていは積極的な誰かが来て実際にボールを打つだろう。そこで、「もうちょっとこういうボールの方が打ちやすい」「実際に試合で来るのはもっと低い」といったような意見が聞けるはずだ。そうした選手の声も取り入れながら練習していけば、必ず上達するはずだ。

また、具体的な多球練習のメニューについては、以下の記事でお伝えしているので、ぜひ今後の参考にして頂きたい。

>>【意外と重要】多球練習の球出し側のコツ|頭で勝つ!卓球戦術

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今回は卓球の経験がない監督や指導者ができることについて考えてみた。

経験していないことを教えるなんて、普通に考えたら無理な話である。ただ、できることは探せば色々とあるはずだ。

技術に関する動画などのネット上の情報はどんどんと充実してきている。また選手のそれぞれの特徴にあった様々なプレースタイルも存在する。選手自身は目の前のことに精一杯なはずなので、指導者や監督がそのような情報を仕入れて、幅広い視野で選手にとって有益なアドバイスができることが望ましい。

そしてそれらの関わりの中で、選手との対話を増やして信頼を得ていくことが、今後長い目で見ても財産となることだろう。今回のお話が参考になれば幸いである。

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