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初めての全米OPで8位浮上の永野竜太郎、15位以内なら国内ツアーの賞金ランクトップに!? 「そんなの気にしてらんない(笑)」

永野竜太郎は初めての全米オープンとは思えないほど、堂々とプレーしている(撮影:Yasuhiro JJ Tanabe)

<全米オープン 3日目◇17日◇ザ・ロサンゼルスCC ノースC(米カリフォルニア州)◇7421ヤード・パー70>
 
国内男子ツアーで未勝利の35歳が初めての「全米オープン」で躍動している。永野竜太郎は日本勢トップのトータル2アンダー・12位タイで予選を通過すると、3日目も1イーグル・3バーディ・3ボギーの「68」と2つ伸ばしてホールアウト。トータル4アンダーはトップと6打差の8位に浮上してきた。

「緊張感はないです。だって自分がやることは、やれることだけだから。緊張しても関係ないですし」と、自分のペースで戦っている。さらに、世界のトップ選手が集うフィールドにも「メチャクチャ楽しんでいますね。セッティング自体もタフですけど、でもどうやったら今の自分がこのホールをこなしていけるかとか、すごいポジティブな疲れなので、やっていて楽しい」と、頼もしい言葉も飛び出す。
 
このままベスト10で終えれば、来年の出場権が得られるが、展開次第では優勝のチャンスもまだ残っている。少し気は早いが、もし優勝となれば3600万ドル(約5億1000万円)、このまま8位で終えても59万864ドル(約8400万円)という高額賞金を手にすることに。四大メジャーの賞金は国内男子ツアーにも加算される。現在、賞金ランキングトップの金谷拓実(5439万7333円)と、同20位の永野(854万3399円)との差は4585万3934円。単独15位でも約4700万円が入るため、金谷を抜くことになる。
 
また、全米オープンは3位でも約2億円と賞金額が高いことから、17試合を残して23年シーズンの賞金王が確定してしまう可能性もある。ちなみに昨シーズンは、比嘉一貴が年間4勝を挙げて1億8159万8825円を稼ぎ、賞金王に輝いた。
 
8位の賞金を聞いた永野は「やばいね」とひと言。そして、「そんなの気にして、こんなところでゴルフやってらんないでしょ。『ダボ打ちたくない』が先行する」と笑う。そもそも永野は開幕前から目標を立てていない。「いまの自分の持っている力で、どんだけ戦えるかが知りたい。順位だったり、お金なんて最終的な結果だから」と話す。そしてここまでは「うまくやれている」と実感している。
 
あすの最終日は東京五輪の金メダリスト、ザンダー・シャウフェレ(米国)とのペアリングで、最終組の3つ前でプレーする。「最終日でゴリゴリ来たらさすがに緊張するっしょ」とどこまでも明るく笑顔。全米オープンでプレーする前は「テレビだとパーフェクトなやつらかな」と思っていたが、実際にプレーして「ゴリゴリの人でもミスもするし曲げる」と気づいた。
 
そのうえで「だけど、ミスしても引きずっていないし常にトライしている。結局、ショートゲームが上手かったり、パッティングが上手かったり、ショットが完璧な人はいない」と、世界との違いを肌で感じる一週間となっている。
 
とはいえ、全米オープンという大舞台で3日目を終えて永野の上には7人しかない。「このセッティングは彼らでも難しい。上の選手も苦しむんだから、その辺は自信になる」。トップランカーばかりの上位勢のなかで、世界ランキング522位の活躍は事件といってもいいだろう。最終日も35歳の光るプレーに期待したい。

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