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「遠い存在に思われたくない」 メジャー覇者が目指す“笹生優花像”

ジュニアゴルファーに“近い”存在でいたいと話す笹生優花(中央)(撮影:ALBA)

笹生優花が主催したジュニアイベント「YUKA MEET&GREET 2023」が今月17、18日に茨城県・静ヒルズカントリークラブで行われた。小学生19名が参加。イベント終了後には「みんなとゴルフ、ラウンドができた。自分だけでなく、みんなも楽しめたかなと思います」と笑顔で振り返った。

ドライバーとアプローチのレッスン、パー3ホールでのコンテスト、そして実際にコースでのラウンドなどを行ったが、それだけではない。宿泊付のイベントでは、夜にはみんなでバーベキューの懇親会を開くなど、ゴルフ以外でも同じ時間をともにした。

バーベキューでは笹生自らがお肉を焼き、「食べる人~!」と声をかける“焼き係”を率先する場面も。ジュニアたちも遠慮せずにお皿を差し出す。微笑ましい光景だった。

ジュニアたちと積極的に交流する姿勢の裏には、ある想いがある。かつてジュニアゴルファーだったときに、自身もアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)主催の試合に出場したが、そのときの思い出が脳裏に焼き付いている。

「触れ合える時間も短いなか、アニカさんと会話ができて、“遠い存在に感じさせなかった”。それにすごく憧れて、このようにジュニアの試合をやりたいという気持ちができました。わたしも遠い存在に思われたくないので、それを感じてくれたらいい」

10代のうちに日本ツアー2勝を飾り、2021年には海外メジャー「全米女子オープン」を制覇。東京五輪(フィリピン代表)にも出場するなど、若くして世界トッププレーヤーの仲間入りを果たした。そんなプロゴルファー“笹生優花”はジュニアたちにとって、手の届かない、遠い存在に感じてしまっているかもしれない。そんなイメージは持ってほしくない、と笹生は考えている。

クラブを初めて握るきっかけとなったポーラ・クリーマー(米国)ら、ジュニア時代に憧れた選手たちは、いまでも試合会場で会うとオーラを感じるという。

「(自分も)そうなりたい? わたしはオーラがない(笑)。なくてもいいかな」

どこまでも謙虚なメジャー覇者。強い信念を持つ22歳は、これからもジュニアゴルファーに寄り添い続けていく。(文・笠井あかり)

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