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健康長寿の源でもあるエージシュート 倉本昌弘さん『63』のすごさ【原田香里のゴルフ未来会議】

倉本昌弘が国内シニアツアー「スターツシニア」の2日目に『63』でラウンドし、エージシュートを達成(撮影:福田文平)

ゴルフを愛するみなさん。こんにちは。原田香里です。梅雨まっただなかエリアもあれば、もはや真夏の地域もありますが、ゴルフ、楽しんでいますか? 1年で一番昼間の長い夏至を過ぎたばかりなので、早朝から夕方まで(場合によってはナイターも)プレーできる季節でもあります。さまざまな表情の自然を満喫してのゴルフを味わってください。ただし、熱中症にはご注意ください。

さて、今週のテーマはエージシュートです。年齢以下のスコアを出すことを指し、年齢を重ねたゴルファーの中には、これを目標にしている方も多いかと思います。今回、エージシュートを話題にする理由は、鋭い方はお気づきだと思いますが、先日、倉本昌弘さんがシニアツアーでエージシュートを達成したニュースを聞いたからです。
 
私にとって、日本大学ゴルフ部の大先輩でもある倉本さんは、日本ツアー通算30勝の永久シード選手。レギュラーツアーの2003年「アコムインターナショナル」初日に『59』を叩き出してもいます。後に石川遼選手の『58』に記録は塗り替えられていますが、当時はツアー最少スコアでした。
 
現在67歳。シニアツアー賞金王にも2度輝いていますが、2回目の2014年は日本プロゴルフ協会(PGA)会長をしながらのタイトル獲得というとんでもないゴルファーです。
 
PGA会長を2022年3月に退任されて、現在は再びプレーを中心に活躍されていますが、ついこの間の「スターツシニア」2日目に『63』のエージシュートを達成されたのです。シニアツアーでのエージシュートは4度目だそうですが、年齢よりも4つも少ないスコアを出したのは本当にすごいことです。
 
エージシュートは、ある程度の年齢にならないと目標にできません。中には9ホールで『ハーフエージシュート』などと言う方もいらっしゃいますが…笑。
 
年齢とスコアのバランスが難しいため、プロの試合ではシニアの世界で達成されることがほとんどです。女子のレジェンズは試合数が少ないこともあり、2021年に岡田美智子さんが史上初めて記録しました。「太陽生命・元気長生きカップ」で76歳『74』。そして昨年も、岡田さん、柏戸レイコさんが達成しています。
 
日本ではただ一人、レギュラーツアーでエージシュートを達成したのが、ジャンボこと尾崎将司さんです。66歳だった2013年「つるやオープン」初日に『62』を叩き出しています。距離もあるレギュラーツアーでのエージシュートには、本当に驚きました。
 
体力、筋力維持のためにトレーニングをどんなに続けても、加齢とともに肉体が衰えていくことは完全に止めることはできません。一生懸命、毎日努力を続け、スイングやクラブについて常にアンテナを張って自分のゴルフを追求していないと、エージシュートをするのは難しいものです。
 
正直、私は自分のエージシュートというものをこれまで考えたことがありません。まだ56歳という年齢なのもあるでしょう。けれども、例えばエージシュートをした岡田さん、柏戸さんというお二人の先輩を見ると「本当にゴルフが好きなんだろうな」と感じます。私ももちろんゴルフは大好きですが、あのお二人と比べてしまうと…という気がしてしまいます。
 
もちろん、アマチュアの方でもエージシュートを目標にしていらっしゃる方は少なくありません。そのためにさまざまなことを気にかけ、努力をしながら日々過ごすことで、心身共に健康長寿につながっている方も多いのです。生涯スポーツであるゴルフの素晴らしさの中に、エージシュートは大きなキーワードでもあります。
 
私も10月には57歳になります。倉本さんの10歳下の後輩というわけです。先輩を見習って、いろいろ考えてみなくては…。今回のニュースを聞いて初めてそう考えました。

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