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可能性は「フィフティ・フィフティ」 稲見萌寧の“新しい未来” 米ツアーメンバー入りの条件は?

米ツアー出場権を獲得した稲見萌寧。気になる来年以降の去就は?(撮影:鈴木祥)

<TOTOジャパンクラシック 最終日◇5日◇太平洋クラブ 美野里コース(茨城県)◇6598ヤード・パー72>

日本で唯一開催される米国女子ツアー「TOTOジャパンクラシック」はトータル22アンダーで稲見萌寧が優勝した。日本ツアー通算13勝目、そして米ツアーとしては初優勝。そして、この勝利によって来季の米国女子ツアー出場権を獲得し、メンバー登録をしてその権利を行使するかに注目が集められる。

優勝後の会見では、メンバーになれることについて「すごくうれしいというのが一番の気持ち。来年(米ツアーに)行くかは、自分ひとりでは決められないので、チームで決めたいと思います」と、明確な意思表示は避けた。

LPGAは稲見が米ツアーへ“即時”の加入はしなかったことを発表。もし、日付が変わる深夜12時までにメンバー入りを承認していれば、CMEグローブ・ポイントランキングと賞金ランキングにそれぞれ名前が掲載され、500ポイント、30万ドルが加算されるはずだったが、それは見送られた。承認していた場合、稲見は2023年が“ルーキーイヤー”とみなされ、勝みなみ、西村優菜らと同期になっていた。

しかし、もちろんまだ選択肢は残されている。ポイントランキング上位者のみが出場できる最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」が開催される週の月曜日、すなわち米国東部時間11月13日の午後5時(日本時間14日午前7時)までに加入の意思を伝えれば、来季からの出場権が得られる。

この場合は、ポイントと賞金は加算されず、ランキングには名前も掲載されない。そして来シーズンの24年がルーキーイヤーとなる。

19年大会では鈴木愛が優勝して米ツアー出場権を獲得したが、メンバー登録を見送った。同年7月には渋野日向子が海外メジャー「AIG全英女子オープン」で優勝を飾り、同じように選択肢が与えられたが、登録しない結論を出した。のちに渋野は、21年の米最終予選会(Qスクール)に挑戦し、翌22年にメンバー入りして米国を主戦場に戦っている。21年に「全米女子オープン」を制した笹生優花は即座に行使して、ルーキーとして米転戦を始めた。

優勝によって浮上した“米ツアー挑戦”の選択。このことについて稲見は「新しい未来が切り開かれた」と表現し、「いままでは日本で頑張って日本ツアーを、と思っていたけれど、世界で戦える選択肢が増えた」と話している。現時点での可能性は「まだチームと話せていないので、“フィフティ・フィフティ(50-50)”でお願いします(笑)」。東京五輪の銀メダリストとしても、世界から注目を浴びる稲見。その去就はいかに…。(文・笠井あかり)

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