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「嫌なヤツとのゴルフ」 アナタならどうする? 期待できる化学反応

嫌いな人とはゴルフをしなければいいのだが、そうもいかないこともある

嫌な相手とは言わないまでも、よくある例として「右はOBだから注意して」「目の前の池に入っても、前から3打目で打てるからね」「このラインは、速いよ。触るだけで行っちゃう」など、これから打つという集中し始めた瞬間のタイミングで、こんなアドバイスをする人がいます。本当に良かれと思ってアドバイスをしている人はもちろんいるし、そのおかげでミスを回避できることもあるでしょう。でもせめて打つ直前ではなく、もう少し前に言ってくれればいいのに…。微妙なのですけれど、こういったアドバイスを言った本人には当然悪気はない(いえ、もちろん悪意を持って言う人もいますね)から逆にタチが悪いこともあるのです。

ゴルフはその人の本性を、最悪の形で露呈するゲームです。

威圧する体育会系いじめパターン。自分の世界に閉じ籠もるアンタッチャブルパターン。無駄にしゃべり続けている騒音パターン。教え魔パターン。褒め殺しパターン。色々な嫌なタイプがいますが、嫌だなぁ、と感じた瞬間から憎悪は増幅していき、挙げ句の果てに、殺意さえ抱くようになってしまうことさえあります。今回だけで二度と一緒にゴルフをしない、と決めれば済む問題ですが、色々な関係があって、一度きりのお付き合いでは終わらない悲劇もあります。

最終的には、嫌な相手との距離をどう取るのか? その人がどう判断するかによるわけですが、いずれにしても、自分とは違う他者を拒絶しても問題がないならそれでいいのですが、人生、なかなかそう簡単にはいきません。やはり何らかの関係性がある相手(特に仕事が関係している場合など)とは、完全拒絶は難しい。どんな受け入れ方がいいのか? という問題になってくるのが現実的な妥協点になるかと思います。

ゴルフにまつわる全ての苦難は、修行だと僕は考えています。これなら目的意識が発生して楽になれます。

悪意のある妨害行為に反応して、ミスをしたりするから、相手は調子に乗り、益々絡んでくるのです。どんな妨害行為にも、負けない集中力を身につけて、実力を磨くのが唯一の逃げ道と考えてはどうでしょう。妨害されても、反応せずに、淡々と自分のゴルフをまっとうしている人には、妨害をする意味がないので、悪意が強い人ほど早々に退散します。この悟りの境地を理解できれば、全ての嫌なタイプとのゴルフは、逆に修行のチャンス。悪意の妨害行為があるたびに、鍛えてもらっていると感謝できるのです。

ムキになって、自分も一緒になって悪意の妨害行為でやり返すのは、最悪の選択で、弱さは変わらないまま、明らかなレベルダウン。この地獄に、たくさんのゴルファーが堕ちていきます。レベチ(レベルが違う)なゴルフを! と意識しましょう。修行を経て、悟ってしまえば、全ては“無”で微笑ましいものになります。高い場所から見下ろさなければ見えないシーンもあることをゴルフは教えてくれます。

無視をするのは間違いではありませんが、相手も人間なので、意図しないトラブルになる可能性があります。だからこそ、どんなことにも、微笑み返し、です。その先には、地獄とは正反対の極楽ゴルフが待っているのです。

(取材/文・篠原嗣典)

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