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プラチナ世代・後藤未有は“ライジングパット”で首位発進 川奈の追い風受けて「弱い自分を乗り越える」

後藤未有は初優勝に向けて首位発進(撮影:福田文平)

<フジサンケイレディス 初日◇21日◇川奈ホテルゴルフコース 富士コース(静岡県)◇6457ヤード・パー71>

プロ3年目の後藤未有が6バーディ・2ボギーの「67」で回り、首位タイで初日を終えた。首位発進は昨年の「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」以来、自身3度目。初優勝に向けて絶好の位置で滑り出した。

後藤は2番パー4で3パットのボギーとしたものの、4番パー5で3打目のアプローチをピンそば30センチにつけて初バーディを奪う。すると5番では15メートルを流し込み、6番ではグリーン外のカラーから4メートルを沈めて3連続バーディ。さらに9番では4メートルを決めてリーダーボードを駆け上がった。

後半の10番ではグリーン手前のエッジから10ヤードをパターで狙いバーディ。続く11番ではピン右10メートルのフックラインを読み切り、ハーフをまたいで再び3連続でスコアを伸ばした。16番パー5では2打目を左のラフへ入れ、3打目は急斜面から打ち上げのアプローチが残った。高く上がった打球は小さいグリーンをしっかりとらえて、2パットのパーでこのピンチをしのいだ。

一日を振り返ると「2つのボギーは3パットで落としたものですけど、グリーン外から入ったり、シビアな2、3ヤードのパーパットもきっちり沈めてスコアをまとめられている。パッティングが一番良かった」とグリーンの内外からカップをとらえてスコアを伸ばした。

多くの選手が苦しんでいるコーライ芝だが「基本的に速いグリーンの方が好き。ちょんと打ったらスッと行ってくれる。距離とラインのイメージは今までで一番出しやすい」と後藤にとっては好相性。

「きれいな回転で打つ」ことがコーライグリーンの攻略法だが、パッティングスタイルは特徴的だ。「両目でラインをしっかり見られるように、オープン気味に半身で構えます。インパクトからフォロースルーで左ヒジを抜いて、ヘッドを上げて順回転になる理論です」。ジュニア時代から師事する篠塚武久の教えによる“ライジングパット”を取り入れている。同門の男子プロの時松隆光もこのスタイルだ。

2000年度生まれのいわゆるプラチナ世代の後藤。同世代には国内で8勝を挙げ、米女子ツアーでも1勝している古江彩佳や国内6勝の西村優菜、国内2勝の吉田優利らがいる。プロ2年目の昨季、メルセデス・ランキングで34位に入り初シードを獲得した後藤は、同世代の背中を追いかけている。

「昨年も勝ちたい気持ちがあったけど、なかなか上にいけなかった。今年は勝ちにこだわる。勝てないと意味がないので。経験がないとかじゃなく、そこは気持ち次第でどうにでもなるところなので。弱い自分を乗り越えて、早く1勝できるように、まずは1勝できるように、とずっと思っています」。同世代がどんどん活躍していく中、後藤の今年にかける気持ちは強い。

昨年大会では3位タイに入っている。「得意と思うことはないですが、結構いいイメージを持ってショット、パッティングができているので、それが得意ということかもしれないです」と川奈攻略に自信ありの様子。明日以降も川奈の強風を初優勝への追い風にしたい。(文・内藤哲)

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