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笹生優花も祝福! セリーヌ・ビュティエが母国でメジャー初制覇「最大の夢だった」

シャンパンで祝福されるビュティエ(撮影:福田文平)

<アムンディ・エビアン選手権 最終日◇30日◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6523ヤード・パー71>

「わたしの最大の夢。もしメジャーで優勝するとしたら、エビアンでなければならなかった。でも、まさか今週だとは思ってもいなかった」

フランスで生まれ育ったセリーヌ・ビュティエが、最終日に4バーディ・1ボギーの「68」で回り、トータル14アンダーでフィニッシュ。後続に6打差をつける圧勝で、メジャー初制覇を飾った。

タイ人の両親のもと、フランス・パリ郊外のクラマールで生まれ育った。フランス勢としても大会初制覇。メジャー優勝は、1967年「全米女子オープン」を当時アマチュアで制したカトリーヌ・ラコステ、2003年「シェブロン選手権」制覇のパトリシア・ムニエ・ルブック以来、3人目の快挙だった。

3打差からの逃げ切りをはかったビュティエは、畑岡奈紗との最終組に入った。1番でバーディを奪うと、激しい打ち下ろしのパー3では4メートルを決めて連続バーディ。一度も背中を捉えさせず、さらには差を広げる圧巻のラスト18ホールだった。

予選ラウンドは渋野日向子、3日目には笹生優花と回ったが、朝からファンが集結。フランス期待の星に声援を送り続けていた。「(最終日の)最初のティイングエリアに入るときはとても緊張した」と、7度目の経験でも、のしかかるプレッシャーは大きかったが、その緊張を力に変えた。

最終18番では、1.5メートルのウィニングパットを沈めると、パターを胸の前で握りしめ、ぎゅっと目をつむった。大歓声の中心でその瞬間をかみしめたのと同時に、笹生ら仲のいい選手からシャンパンで“手荒い”祝福を受けた。

笹生との“友人”関係は、数年前にさかのぼる。年齢は8歳離れているが、ビュティエは笹生を可愛がった。いまはともに米テキサス州のダラスを拠点としており、普段から同じ練習場で一緒に汗を流したり、お互いのコースを行き来したりする間柄。先週3位タイに入ったペアマッチ「ドウ・グレート・レイクス・ベイ招待」は、ビュティエからのラブコールでタッグが実現した。

6打差からスタートしビュティエを追った笹生は、早々に優勝争いから脱落してしまったが、姉のように慕うビュティエの晴れ舞台を待ち、メジャー優勝という快挙をともに祝った。笹生に加え、多くのタイ勢もシャンパンがけに参加。地元に加え、ゆかりのある選手からの祝福で18番グリーンは歓喜に包まれた。

シャンパンの香りを全身から漂わせながら、何度もフランスへの愛と感謝を述べるとともに、子供たちにサインをし続けた。「さらに多くのフランス人選手がプロになって、同じ舞台でプレーできるようになることを楽しみにしている」。青空の下にトリコロールが映え、フランスのゴルフ界の歴史に、新たな一ページが刻まれた。(文・笠井あかり)

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