【日本代表|メンバー発表会見】初招集、選出外の理由を木暮賢一郎監督が説明

アルゼンチンとの対戦はベストチョイス

──代表チームでブラジル遠征をする前から小西鉄平JFAフットサルテクニカルダイレクターらと一緒に、ヨーロッパとブラジルを視察されてきました。どんな収穫がありましたか?

育成年代も幅広いですが、スペイン、ポルトガル、ブラジルは、非常に力を入れているなという感想です。各国、コロナ禍で国際経験を積めなかった世代にどのようなアプローチをするかを含め、非常にデザインされている印象でした。

どうやって選手を下のカテゴリーから引き上げていくか。スカウト、リクルートの視点も含め、どう活動して力をつけていくか。入口と強化、そして出口、つまりフル代表につなげていく部分について、自国のスタイルに合わせてブラッシュアップしていると感じました。

ブラジルはU-17に選ばれた選手が海外に出て、その後、フル代表に戻ってくるという流れができています。一方で、もう戻って来れないくらいタレントが豊富にそろっていると聞いています。ポルトガルは育成年代の選手をリクルートする仕組みについては世界トップクラスで、彼らの画期的なアイデアについては直接、ディスカッションをしてきました。

私も長く育成年代に関わっていますし、バーモントカップ(U-12)、U-15、U-18のフットサルの全国大会を見続けていますが、まだまだ知見を広げていく必要があるなと。すでに取り組んでいるアイデアの一つとしては、飛び級です。下の世代にも声をかけることで、早いうちからマインドを変えようとしています。成果が出るのは少し先かもしれないですが、この取り組みが正しいと信じて、これからも若い選手をピックアップしていきたいです。

──欧州、ブラジルの視察で女子の活動について、新たな情報や気づきがあれば教えてください。

スペイン、ポルトガルともに、コミュニケーションを取ったのは男子チームの監督ですが、女子チームでもダイレクターとして決定権をもっている方たちです。彼らとの会話では、素直に日本の女子代表選手への評価が非常に高かったです。ユースオリンピックや、スペイン代表と戦った直近のゲームを含め、お世辞抜きでチーム、個人とも期待してくれています。

各クラブ、リーグ、将来の代表を目指す若い選手は、おごることなく日々トレーニングをしてもらいたいですし、スペイン、ブラジルといったトップの国と戦えるチームだと思っています。少なくとも、私自身も女子代表チームの監督として選手を見ていましたから、立場が変わっても、彼女たちを応援していることに変わりはありません。

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──国際親善試合はアルゼンチン代表とのマッチメイクが決まりました。木暮監督から見た相手の印象や、この試合の狙いを教えてください。

まずは国内で試合ができることに大きな喜びを感じていまし、フットサルという競技をより多くの方に知ってもらう、またとない機会だと思います。

もちろん勝利にはこだわりたいですが、勝てそうだなという相手ではなく、とにかく、誰もが知っていて、フットボールが強い国だと認識されているチームとやりたいという前提がありました。

できればヨーロッパの国が第1希望でしたが、残念ながら12月のタイミングでFIFAデイズが重なっていないため、スペインやポルトガルはカレンダーの関係上、呼ぶことができませんでした。そのなかで、直近はブラジル、モロッコとも戦っているので、ここまで対戦してきていない国で、ヨーロッパの“香り”もするチームとして、アルゼンチンを候補に挙げました。

特にアルゼンチンの攻撃は、ブラジルとは違ったヨーロッパに近い戦い方をするチームでもあるので、より理想に近い、ベストなチョイスだなと思っています。それに監督のマティアスは、僕もコーチの高橋(健介)も交流があるので、コーチングスタッフ同士の関係も近く、前向きにコミュニケーションできましたし、非常にいい対戦相手だと思います。

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