• HOME
  • 記事
  • バスケットボール
  • “センター・レブロン”は「攻守でメリットがある」。指揮官ヴォーゲルが現ラインナップの強みを語る<DUNKSHOOT>

“センター・レブロン”は「攻守でメリットがある」。指揮官ヴォーゲルが現ラインナップの強みを語る<DUNKSHOOT>

レブロンはキャリアで初めてフルタイムのセンターとして起用されているが、攻守で見事な活躍を披露している。(C)Getty Images
今季最長となる4連勝を飾っていたロサンゼルス・レイカーズは、1月9日(日本時間10日、日付は以下同)のメンフィス・グリズリーズ戦を119−127で落とし、今季戦績を21勝20敗(勝率51.2%)とした。

この日は絶好調のグリズリーズの前に敗れたものの、大黒柱のレブロン・ジェームズはフィールドゴール73.7%(14/19)、3ポイント75.0%(3/4)でゲームハイの35得点に9リバウンド、7アシストと気を吐いた。

37歳の大ベテランは、キャリア19シーズン目ながらここまでリーグ2位の平均28.9点に7.4リバウンド、6.6アシスト、1.7スティール、1.1ブロックという八面六臂の活躍でチームを牽引。

12月は平均30.7点、9.3リバウンド、6.5アシストにフィールドゴール55.5%、3ポイント40.4%と好成績で終えた“キング”は、1月の4試合でも平均31.0点、7.3リバウンド、6.5アシストにフィールドゴール54.8%と効率良く得点を奪っている。

レイカーズは、2番手のアンソニー・デイビスの故障離脱後はディアンドレ・ジョーダンとドワイト・ハワードが先発していたものの、過去7戦のうち6試合は先発センターにレブロンを起用。

206㎝・113㎏というビッグマン顔負けの肉体とリーグ最高級の頭脳を兼備するレブロンだが、この男をセンターと起用することで、ディフェンス面でもメリットがあるとフランク・ヴォーゲル・ヘッドコーチ(HC)は語る。
10日に『Silver Screen and Roll』へ掲載された記事の中で指揮官は「オフェンス面と同様に、ディフェンス面でもいくつかメリットがある。特にエリートなガード陣とダブルチームをたくさん仕掛けることができるんだ。それにペリメーターでも密集地帯でよりスピーディに対応できる。もちろん、現段階ではまだまだ多くのエリアで向上が必要だ。でもスピード面では十分に利益をもたらしてくれているよ」

レイカーズはレブロンとラッセル・ウエストブルックというスター選手の周囲に、エイブリー・ブラッドリー、マリーク・モンク、そしてスタンリー・ジョンソン(198㎝・109㎏)という屈強なウィングディフェンダーを先発に配置。

シーズン全体のディフェンシブ・レーティングではリーグ16位の109.1で、直近5試合では19位の112.3と数字上は若干悪化しているものの、チームとしてはより相手に仕掛ける機会が増えており、今後の改善も見込めるとHCは見ているのだろう。

とはいえ、チームはここ7戦で5勝2敗と勝ち越しており、やはりオフェンス面の効率が上がったことがその最たる要因と言えよう。それはオフェンシブ・レーティングがシーズン全体の108.4(リーグ22位)からリーグトップの121.0へ急浮上していることからも明らかだ。
ただ、就任3年目のヴォーゲルHCは、レブロンのディフェンス面における存在感についてもこう触れている。

「彼が5番(センター)をガードしていようが、その裏で3番(スモールフォワード)か4番(パワーフォワード)をガードしていようと、私がこのチームへ来てから、彼の声はもの凄く重要なものになっている。彼はチームのミドル・ラインバッカー(守備側のポジションの中核)であり、ベストなコミュニケーターなのさ。彼がディフェンス面でこなしていることについて誰も質問してこないけど、我々のディフェンス面においても、極めて重要な存在なんだ」
昨季までの2シーズンはレイカーズの司令塔としてポイントガードのポジションに入っていた男は現在、主にセンターとしてフル稼働している。これによりフィジカル面での疲労が蓄積する危険性はあるものの、レイカーズが勝利を量産するまで、レブロンが足を止めることはなさそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

関連記事