不整脈を乗り越えたオルドリッジが復帰の喜びを語る「勝つために戻ってきた」<DUNKSHOOT>

オルドリッジは今年4月の試合で不整脈を発症し引退を発表していたが、医師からプレーの許可が下りたことで復帰を果たした。(C)Getty Images
「いい気分だね。昨シーズンに起きたことを考えると、実現できるだなんて思ってなかったんだ。(復帰に向けて)一生懸命取り組み、またこうしてコートへ戻ってくることができたんだから、ただただありがたいと感じるね」

ブルックリン・ネッツのラマーカス・オルドリッジは、現地時間10月29日(日本時間30日、日付は以下同)のインディアナ・ペイサーズ戦で21得点をマークし、現役7人目(NBA史上48人目)となる通算2万得点を突破し、プレーできる喜びを語っていた。

オルドリッジは今年4月に不整脈の悪化で突如引退を発表したが、そこから医師の診断を重ねて健康問題をクリアし、今夏ネッツと再契約。

キャリア16シーズン目の今季、36歳のベテランビッグマンは全試合でベンチスタートながらケビン・デュラント(平均28.6点)、ジェームズ・ハーデン(同21.2点)に次いでチーム3位の平均12.9点に5.4リバウンド、1.2ブロックと、限られたプレータイム(同20.6分)の中で効率の良いプレーを見せている。

それでも、11月21日に『ニューヨークポスト』へ掲載された記事の中で、元オールスターは「すごく難しい。僕はこれまでのキャリアで、ベンチから出ることもなかったし、プレータイムが少ないこともなかったから」と本音を漏らしていた。

キャリア2年目からスターターに定着したオルドリッジは、これまでポートランド・トレイルブレイザーズ、サンアントニオ・スパーズでエース格として活躍し、昨季ネッツでも5試合すべてで先発を務めていた。
オールスター選出7度、オールNBAチーム選出5度を誇るベテランは「だから今でも(この役割は)難しいね。僕は今でも理解しようと努力しているし、自分のスポットを見つけるべくしっかり進もうとしているところなんだ」と語る。

21日終了時点で、オルドリッジはチームメイトたちとの連携から打点の高いミドルレンジ、ロングレンジ、さらには3ポイントを放ち、キャリアハイとなるフィールドゴール56.5%を記録。

リング下におけるフィニッシュでは77.8%、ミドルで54.1%、さらにロングでも59.0%と、どのエリアからも高確率でショットを沈めている。それでも、オルドリッジはチャンピオンシップ獲得を目指すネッツで謙虚な姿勢を貫いている。

「これは今も進行中のバトルなんだ。(ベンチスタートとして)コートへ出る瞬間というのは、今でもタフなことだからね。でも僕は勝つために戻ってきた。ここにいたかったし、何よりも勝ちたい。だから、これが自分の役割なのであれば、それをやっていくだけさ」

ネッツは22日のクリーブランド・キャバリアーズ戦を117−112で制して3連勝。ここ10戦で8勝2敗と好調をキープしており、イースタン・カンファレンス首位の13勝5敗(勝率72.2%)を残している。

この試合でも、オルドリッジはフィールドゴール71.4%(10/14)の計21得点に今季最多の11リバウンドと、見事なパフォーマンスで勝利に貢献。ベンチに経験豊富かつ高いシュート力を持つベテランビッグマンが控えていることは、ネッツの強みの1つと言っていいはずだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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