鎌田大地,サッカー,ワールドカップ,W杯

挫折を超えた大器 フランクフルトの司令塔・鎌田大地

日本代表でも再びレギュラーを狙う

そんな鎌田はシント=トロイデン時代の2019年に日本代表に初招集され、W杯アジア予選を戦った日本代表においてもトップ下のレギュラーを確立していた。しかし、自身の不調と日本代表の最終予選での不振も重なって召集外を経験する。現在の森保ジャパンはインサイドハーフをおいた4-3-3を基本陣形に採用しており、中盤のレギュラーには遠藤航、田中碧、守田英正が起用されている。クラブで調子を取り戻した鎌田は中盤のインサイドハーフ、または前線の一角などを狙い再びレギュラーに返り咲くことが求められる。

日本代表にとってもこの鎌田の才能を活かすことは11月のW杯で求められることかもしれない。とくにグループリーグ最終節で当たるスペインには鎌田が今季ELで対戦したバルセロナの選手が多く所属している。スペインも直にその存在を知る鎌田のことは警戒してくるとされ、飄々としたプレーで相手をいなしチャンスメイクする得意のプレーが見られれば、ルイス・エンリケ監督率いる相手にも一矢報いることが可能になるかもしれない。

鎌田は、才能は疑いのないものと言われながらも、欧州でのキャリアも日本代表においても決して順風満帆ではなかった。しかし、ベルギー、ドイツで着実に実績を残しながら、自らのスタイルも確立させて成長を遂げてきた。EL優勝の実績も引っさげて返り咲いた日本代表において、スケールアップした姿を見せてくれるかは日本がさらに世界の高いレベルへ成長を遂げていくためにもカギを握ってくる。本大会の代表に選ばれれば自身初のW杯出場となる25歳。年齢を感じさせない老獪なプレーを武器に年々成長を果たしてきた鎌田が世界を相手にインパクトを与える日はそう遠くない。


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