ドラム缶風呂日本一!ゾンビも出てくる「へんな」キャンプ場【日本一探検隊】

西伊豆・松崎町の「へんな村」で「ドラキャン」できます

「へんな村キャンプ場」の公式Webサイトを開くとまず目に飛び込んでくるのが、「ドラキャンできます」の文字。見慣れない言葉に、いったい何の略…?とページをスクロールすると、「日本一、ドラム缶風呂ができるキャンプ場」とのキャッチコピーが。

ドラム缶風呂に入る気持ちよさそうな大人たちの写真で、謎の言葉「ドラキャン」の答え合わせはできましたが、ホームページにはまだまだ気になる写真が…。口周りを血で染めたゾンビの群れが、森を背景にして立っているのです。

その名の通り、ひとクセもふたクセもありそうな「へんな村キャンプ場」の正体に迫るべく、「村長」のさいとうさんにお話を伺いました!

出典:へんな村キャンプ場

へんな村キャンプ場 MAP

へんな村キャンプ場は、西伊豆の山の中にあります。8つある区画は全て芝生のフリーサイトで、利用者が少ないときは広大な1区画を貸し切って使えることも。

全ての区画にドラム缶風呂が用意され、トイレをはじめとする各施設への近さ・景色・サイトの広さなど、好みに合う区画を選ぶことが可能です。

へんな村キャンプ場

  • 住所:静岡県賀茂郡松崎町小杉原5432
  • アクセス:[クルマ]伊豆縦貫自動車道月ケ瀬ICより約1時間
  •      [電車]伊豆急行線「蓮台寺」駅より東海バス「小杉原上(バス停)」下車徒歩10分
  • 入村料(1泊):小学生以上1人1,000円/クルマ1台500円/バイク無料
  • サイト数:8(最大人数100人)
  • サイト入替:12時
  • ドラム缶風呂:1台 1,000円/薪500円
  • 電源(10A・延長コード):1,000円
  • 予約・問い合わせ:へんな村キャンプ予約
  • 公式サイト:へんな村キャンプ場

  • 「へんな村キャンプ場」誕生のひみつ

    出典:へんな村キャンプ場

    ――よろしくお願いします!さっそくですが、「へんな村キャンプ場」はどのようにしてできたのでしょうか。

    さいとうさん:最初からキャンプ場がやりたかったワケではないんです。それよりも、「DASH村」や「風雲!たけし城」のようなことがやってみたくて。そんなとき松崎町で、売りに出されているキャンプ場を発見。「へんな村キャンプ場」を始めることにしました。

    ――「へんな村」と名付けたのはどうしてですか?

    さいとうさん:私はキャンプ場のある静岡県賀茂郡松崎町のほかに、東京都杉並区方南町でも活動しています。松崎町ではキャンプ場ですが、方南町では「畏怖咽び家(いふむせびや)」というお化け屋敷をやっているんです。「へんな家」として一軒家を丸ごと利用していて、キャンプ場も同じ「へんな」シリーズの1つ。「DASH村」のような村をつくりたかったので、「へんな村」としました。「変ドル」というオリジナルの通貨もあります。

    ――あれ、ゾンビとの繋がりが見えてきたような・・・。


    日本一“ドラム缶風呂が多い”キャンプ場

    出典:へんな村キャンプ場

    ――キャンプ場で「ドラム缶風呂」を始めた理由は?

    さいとうさん:実際にドラム缶風呂に入ったとき、気持ち良かったことがきっかけです。普段なかなか体験できることではないし、キャンプ場でドラム缶風呂に入れたら面白そう、と思いました。川の近くでドラム缶風呂、キャンプファイヤーをみんなで囲むドラム缶風呂、みかんを入れたドラム缶風呂などなど…。さまざまなシチュエーションで需要があるかなぁと。

    ――ドラム缶風呂の何が日本一なのでしょう?

    さいとうさん:数が日本一です、多分。現在は20個のドラム缶風呂があります。これから数だけでなく種類も増やしていこうと思っているので、日本一“へんな”ドラム缶風呂も目指していきます!

    ――さいとうさんにとってドラム缶風呂の魅力とは?

    さいとうさん:自分で薪を燃やし、お湯を沸かして、あの狭い風呂に入ったときの気持ちよさ。特に夜は最高に心地良いし、頭上に星が見えていたら幸せな気分になれるんです。

    ――ドラム缶風呂でじんわりと温まりながら、大自然の絶景を眺める。ほてった顔を、山の風がそっと撫でていく…。想像するだけでうずうずします。SNSでも、ドラム缶風呂の虜になったキャンパーを見かけました。

    さいとうさん:今は、ただドラム缶風呂を設置しているだけです。これからもっと快適に入れるように工夫していくので、そのときの皆さんの反応が楽しみなところですね。

    ドラム缶風呂
    料金:1,000円/台 
    薪:500円
    ※利用者が自分で沸かすセルフ式


    ゾンビキャンプ開催!ホラーな仕掛けがあちこちに…。

    出典:へんな村キャンプ場

    ――ドラム缶風呂と同じくらい、いやむしろドラム缶風呂以上に、ゾンビの写真が気になるのですが…。

    さいとうさん:へんな村キャンプ場では、不定期で「ゾンビキャンプ」を開催しています。ホラーとサバイバルを融合させた1泊2日の究極キャンプで、廃キャンプ場を舞台に、仲間と協力してゾンビから生き残ることを目指すイベント。ゾンビのウイルスに感染しないよう、食料を取りに行ったり、さまざまなミッションをクリアしたりします。知らない人とチームを組んでミッションやバーベキューをするので、ゾンビが好きなキャンパー同士の交流も楽しみの一つです。

    ――どうしてゾンビキャンプを始めることに?

    さいとうさん:同じグループ会社に「オバケン」という、方南町のお化け屋敷などを手掛けるエンタメ会社があります。そのホラープランナーの企画から始まりました。

    ――東京・方南町での活動と、静岡・松崎町での活動が、密に繋がっているのですね!

    ゾンビキャンプ(2022年開催実績)

    • 日程:1st/2022年8月6日(土)~7日(日)、2nd/2022年9月3日(土)~4日(日)
    • 場所:へんな村キャンプ場(静岡県賀茂郡松崎町小杉原5432)
    • 定員:各100名(新宿発バス40名、現地集合60名)
    • 料金:現地集合/大人32,500円・子ども(18歳未満)25,500円、新宿発バスチケット(温泉つき)/大人40,500円・子ども(18歳未満)33,000円
    • 公式ホームページ:OBAKEN ZOMBIE CAMP 2022

    キャンプ場の貸切利用も可能!

    出典:へんな村キャンプ場

    ――このホラーな仕掛けも、ゾンビキャンプの名残というわけですね。

    さいとうさん:へんな村キャンプ場は、とにかくキャンプ場が荒れています。道と草むらには倒木や朽ちたバギーが転がっていて、ゾンビや骨の造形があっちこっちにあるくらいです。巨大岩もオプションで転がっています。今後は、管理人が殺人⻤に扮する設定も考えているんですよ。

    出典:へんな村キャンプ場

    廃コンテナ

    ――暗くなると一層ホラーな雰囲気が増しそうですが、怖がり屋さんやお子さんでも楽しめるのでしょうか?

    さいとうさん:怖いことを言わなければ、ただの荒れたキャンプ場です。山の中なので夜は真っ暗になりますが、焚き火をすれば楽しめますよ。トイレは綺麗にしてあるので安心できると思います。男性トイレの1室に人形が置いてあるので、開けたらびっくりするかもしれませんが…。

    男女別の綺麗な水洗トイレ。中には恐ろしい先客がいるかも…?

    ――キャンプ場の貸切も受け付けているそうですが、広いサイトとホラーな演出を利用すれば、アイデア次第でさまざまなイベントができそうです。

    へんな村キャンプ場 貸切イベント

    • 用途:友達への壮大なドッキリ・鹿肉&音楽イベント・ゾンビから彼女を守り通してプロポーズ・ワイルドBBQ・キックベース大会・サバイバルゲーム・カラオケ大会など
    • 使用料:1~30人/50,000 円 (以降1人ごとに1,000円)※中学生以下半額
    • 貸出:照明、音響機器、BBQセット、大型テント、テント、シャワー、4輪バギー、軽トラなど
    • 予約・相談:へんな村キャンプ場 貸切イベント

    超ユニークなキャンプ場が、まちを元気に!

    出典:へんな村キャンプ場

    にぎやかなイベントの様子

    ――へんな村キャンプ場は、地域活性化にも取り組まれていると伺いました。

    さいとうさん:地域の高齢者を招いて、野外カラオケバーベキュー大会を開催しています。また地域行事に参加したり、狩猟免許を取得して害獣駆除をしたりと、意欲的な活動を通して高齢の方々が若返ることができているのではと思います。

    ――全国から人が集まる「ゾンビキャンプ」も一役買っていそうですね。

    さいとうさん:松崎町の地域と繋がりやすくなりましたね。町の物産品を販売し、アピールできる場なので、微力ながらも地域の経済発展に貢献できているかと思います。

    出典:へんな村キャンプ場

    ピザ釜で本格的なピザづくりもできる

    ――地元住民の方々とキャンパーが触れあう機会もあるのでしょうか。

    さいとうさん:先日、30代の女性たちがゾンビ役としてキャンプに来た人を驚かし、交流しました。今後は、地域の高齢者にも「へんな村」の村人として演者になってもらうつもりなので、触れ合う機会は増えていきます。

    ――キャンプ場が地域からも愛される秘訣は何ですか?

    さいとうさん:へんな村は愛されてはいないと思いますが、地域住⺠と良い関係性を築くことは大切ですね。なかなか思うようにはできていないので、もっと交流できるようにしたいです。


    「へんな村」の構想は膨らむばかり!

    出典:へんな村キャンプ場

    ――へんな村キャンプ場でのおすすめの過ごし方はありますか?

    さいとうさん:暗くて、基本的に空いています。焚き火をして、星を眺めながら、ドラム缶風呂で温まってのんびりと過ごしてください。天気が良ければですが!

    ―― キャンプ場運営で苦労することや、楽しいことは何ですか?

    さいとうさん:今のところ苦労はないですが、もっと稼がないと赤字なので…。楽しいことは、自分で自由に開拓できるところですかね。例えば、「風呂を壊してサウナをつくる」などの経験は都会ではできません。

    ――へんな村キャンプ場の未来予想図を教えてください!

    さいとうさん:キャンプ場だけではなく、小杉原地区全体が「へんな村」になり、村ごとキャンプや食事、収穫などが楽しめる「小杉原へんな村」を目標としています。村まるごとゾンビキャンプも良いですし、村の至るところにドラム缶風呂やバーベキュー場を設置して、トゥクトゥクで無料移動できたらおもしろそう、なんてことを考えています。

    ――ありがとうございました!

    独自の“売り”をもったキャンプ場は多くあれど、「日本一のドラム缶風呂」と「ゾンビキャンプ」という2つの強烈な個性を持ったキャンプ場はここだけかもしれません。「へんな村キャンプ場」は、地域とそこに住む人々も巻き込みながら、唯一無二の体験でキャンパーを魅了しています。日々進化を続ける「へんな村」から、目が離せない!

    公式サイトはこちら

    へんな村キャンプ場

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