最高の一瞬『水しぶきとタトゥー_水泳』

 

7月に福岡で行われた世界水泳の競泳からは、水の動きに関わる写真を紹介していきたいと思います。

 

選手の顔がよく写るという点では、邪魔になってしまうこともあるんですが、水や水しぶきと絡めた写真というのは面白いなと思って、よく狙っています。

 

これは男子自由形のイギリスの選手なんですけれども、手の甲に五輪マークのタトゥーをしているのが気になっていました。肩や足首に入れている選手は何人かいるんですけど、手の甲というのはなかなかいないんですよね。

 

自由形は、短距離とかだともうほとんど息継ぎとかをしないんですよね。とにかくバシャバシャと水をかいて、水しぶきが本当すごいんです。それでガッツポーズか何かをした時に彼のこのタトゥーが見えて、ちょっと撮りたいなと思って、どう撮るのが一番いいのかなと考えていました。

 

そうしたら、他の選手の泳ぎを狙っている時に、ちょうど真正面から彼が泳いでくるシーンがあったので狙ってみました。自由形って普通は息継ぎで水面から選手の顔が上がったところを横から撮るような形のイメージがあるかと思いますが、彼の五輪マークのタトゥーを考えると、この正面からのほうがよかった。

 

彼でしか撮れない、というような1枚が撮れたかと思います。

 

 

▼岸本勉(きしもと・つとむ)

1969年生まれ、東京都出身。
10年余りスタッフフォトグラファーとして様々な国内外のスポーツイベントを撮影。2003年に独立、「PICSPORT(ピクスポルト)」を設立。良くも悪くも人の記憶に残る写真を撮ることを心がけている。オリンピックは夏季冬季合わせて14大会、FIFAワールドカップは7大会、ほか国内外問わず様々なスポーツイベントを取材。2015年FINA世界水泳選手権カザン大会より、オフィシャルFINAフォトグラファーを担当。国際スポーツプレス協会会員(A.I.P.S.)/日本スポーツプレス協会会員(A.J.P.S.)
Instagram:@picsport_japan

関連記事