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奈良クラブ・浜田満社長が語る『どん底からのJリーグ参入』のストーリー

新拠点『ナラディーア』が果たす役割とは?

FCバルセロナと関わる仕事をはじめてから、日本のサッカー界に対して「こうしたらいいのにな」と思うことが増えてきました。とくにトレーニングや育成の手法は、今までの自分が知っているものと全然違うと気づいたんです。

スペインで育成に関わる人は、実際に「見る」ことに高い価値を置いています。多くの子どもたちが「プロになりたい」と口にしますが、自分に何がどれくらい足りていないかを正確に把握できていないケースは少なくありません。具体的なイメージが無いから、難しいんです。そのギャップを認識することができれば、やらなければいけないことがハッキリします。

奈良クラブの新拠点『ナラディーア』は、2階を中学生・高校生の選手寮にしました。朝起きた瞬間に窓からトップチームのトレーニングが見れますし、食堂ではプロ選手が何を食べているのか、どれくらい体が大きいのか、どんな話をしているのかも、すぐ近くで見聞きすることができます。自分とプロの距離感を測ることによって、何をしなければならないのか、目標を明確にすることができます。

また『ナラディーア』はコミュニケーションの拠点としての役割も担っています。トップチームとの距離が離れていると、ユースの選手がトップの選手の顔を知らなかったり、声をかけるのをためらってしまう。それはすごくもったいないことですよね。結局、人って自分の目で見たものからしか世界を想像することはできません。だからこそ、プロを目指して奈良にくる子どもたちにとって、このような施設環境がいちばん大切だと考えています。

奈良クラブに入りたいと思ってくれる選手を増やすために、まずはトップチームのスタイルを確立することが大切です。子どもたちを試合に招待したり、巡回指導をしたり、目標となる姿を目の前で見ることができる機会をクラブとしてつくっていきたいです。

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