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【#13】まさかの「坂」。当たり前だけど、ゴルフの傾斜って難しい

人生には3つの坂があります。上り坂、下り坂、まさか。結婚式のスピーチでよく聞くフレーズですが、私のゴルフ人生も坂道の連続でした。苦戦していることを坂道を上ることにたとえているわけではなく、リアルな坂の話。そう、初心者にとってゴルフコースの最大の難敵とも言える「傾斜」のことです。
ゴルフコースに初めて行ったときに戸惑ったのが「コースには傾斜がある」という事実でした。なにしろ、それまではまっ平らな練習場でしかゴルフクラブを振ったことがなかったので、傾斜のある場所に立つことすら初めてだったのです。
そして、この傾斜というのが想像以上に厄介なものでした。左足上がり、左足下がり、つま先上がり、つま先下がり、と大きく分けて4つの種類があり、それぞれに違った打ち方をしないと上手く打つことができません。平らな場所で打っているときとは意識を変えないと、必ずと言っていいほどミスが出るのです。
飛距離が落ちるとか打球が曲がるとかならまだいいんですが、傾斜でのミスは空振り、ダフリ、チョロという救いようのないものであることが多いのです。
しかも、たとえばコース脇のつま先上がりの場所に打ち込んでしまった場合、そこからのショットでチョロやダフリをすると、次のショットでも同じつま先上がりで打たないといけないことが多い。ここがつらい。蟻地獄のような傾斜地獄からいつまで経っても抜け出せなくなるのです。
先ほど、傾斜は4種類あると書きましたが、実際はこの4つだけではありません。そう、賢明な読者の方ならお気付きのように、実際には「左足上がり+つま先下がり」のように、2つ以上の傾斜の組み合わせも存在するのです。1つでも厄介なのに2つ重なると、もう何が何だかわかりません。フワちゃんとアンミカさんが共演する番組のようなものです。
最初の何回かのラウンドでは、とにかく傾斜に悩まされました。ボールをフェアウェイの真ん中だけにキープできていれば、そこまで厳しい傾斜に直面することはないのですが、実際にはボールを左右に曲げまくるので、「ななめ45度!」と、ホリプロコム所属のお笑いトリオ・ななめ45°のギャグを叫びたくなるほど、きつい傾斜地から打たないといけない場面も多い。
そして、このきつさというのが、ゴルフをやる前の想像を超えていました。え、こんな角度で打たないといけないの、という驚きがありました。特に、つま先上がりで傾斜の角度が大きくてクラブを地面と平行に振らないといけないときには、スイングの感覚が違いすぎて、別のスポーツをやっているようでした。クラブの軌道は野球やテニスのスイングに近いのですが、足場は傾斜で不安定なので、その感覚ともまた違う。鈴木雅之さんなら「違う違う、そうじゃ、そうじゃない」と言っているでしょう。(フジロック出演おめでとうございます)
何回かコースに出た後、どうにかしなければと思い、傾斜の対策をするようになりました。傾斜ごとの正しいとされる打ち方をあれこれ調べて、おそらくこれならいけるだろうというやり方をまとめて、それを暗記するぐらい頭に叩き込みました。そして、傾斜に直面するたびに、それを思い出してから打つようにしたのです。
ゴルフをある程度やっている人にとっては「そんなの当たり前だろ」という内容かもしれませんが、参考までに書いておきます。あくまでも自分用のメモなので、ほかの人に当てはまるかはわかりません。
まず、左足上がり。これは傾斜の中では比較的簡単。体の軸を右に傾けて軽く打つ。
左足下がり。ダフりやすいので、ダフらないようにボールはやや右側に置いて、体の軸を左に傾けて、ヘッドを地面と平行に低く出すイメージで打つ。
つま先上がり。打球が左に出やすいので、ボールをやや右側に置いて、体の前傾を浅くして打つ。
つま先下がり。個人的にはこれが一番苦手。ひざを大きく曲げて、体の前傾を深くして、しっかり体を回転させて打つ。
全体的に気をつけているのは、バランスを崩さないように普段より体重移動を小さめにして軽く振るということです。とにかく自分の場合は、飛距離や方向性は気にせず、空振りやチョロを防ぐことを優先しています。
今でもミスが出ることはありますが、傾斜の苦手意識は薄れてきました。むしろ、とんでもなくきつい傾斜から打たないといけないときには「大自然に挑んでいる感」があって楽しい、とすら思うようになりました。思えば、地面が平らじゃない状況でボールを打つスポーツはほかにはあんまりない。傾斜こそがゴルフの醍醐味だとも言えるのです。
人生もゴルフも「まさか」の連続。お二人で力を合わせて、坂道を楽しく歩いていってほしいと思います。改めて、ご結婚おめでとう。(ずっと結婚スピーチだった!)

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写真:iBrave

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