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先週Vの鍋谷太一 憧れの石川遼とのラウンドに「5ホールくらい緊張(笑)」

前週初Vの鍋谷太一。憧れの石川遼と同組で好発進を決めた(撮影:鈴木祥)

<ゴルフ日本シリーズJTカップ 初日◇30日◇東京よみうりCC(東京都)◇7023ヤード・パー70>

先週、プロ12年目にしてようやく手にした初優勝。喜びもつかの間、自身初の最終戦を迎えた鍋谷太一は、首位と2打差の5アンダー・3位タイと上々の滑り出しを見せた。

初日は石川遼、稲森佑貴とのラウンド。とくに石川は鍋谷にとって憧れの存在とあって、「先週の最終日くらい緊張した。(スタートから)5ホールくらいは緊張が取れなかった(笑)」と最終戦の雰囲気よりも、石川に対しての緊張感が勝った。ラウンド中、石川と会話はあったというが、「覚えていない(笑)」。ただ、「3番、4番のバーディでようやく集中できるようになった」と以降はいつも通りのプレー。2アンダーの石川よりいいスコアで終えるも、「技術的な部分はまだまだ。勉強させてもらった」と技術の高さに感嘆した。

アンジュレーションのある難グリーンにもうまく対応した。初優勝を挙げた先週の「カシオワールドオープン」から好調のパットは、この日わずか『22』回と威力を発揮。ショートゲームが冴え渡った。

難関18番では傾斜の強い1メートルのパーパットを残したが、「2パットでもいいと思って、弱いかなと思ったけど入ってくれた」と神経の使うパットも冷静にカップイン。クールなホールアウトに見えたが、「そういう風に見せとかないと(笑)」。内心は“ハラハラ”のパットであったことを吐露した。「クールに見せながら、内心はめちゃくちゃ。そういう人生です(笑)」と陽気な一面ものぞかせた。

ただ、「アイアンがあんまり良くない」とグリーンを狙うショットには大苦戦。パーオン率は50%と出場選手の中でワーストタイの数字となってしまった。それでも要所でパットを決め切って、ボギーフリーの5バーディ。先週優勝者にふさわしい、堂々たるプレーを見せた。

火曜日には「優勝はほぼ無理だと思う」と話していたが、首位とは2打差の好スタート。「思ったよりいいスコアで回れてびっくりしている」。期待値を超えた初日に驚きを隠せない。鍋谷が今大会で優勝すると、日本勢初となる初優勝から2週連続Vを達成することになる。「3日目までいい位置に入れたら、それだけで最高」。あくまで謙虚な27歳が、無欲のプレーで快挙達成に挑む。(文・齊藤啓介)

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