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大槻智春が2差逆転でツアー3勝目 「自分に期待しない」無欲のプレーでV引き寄せた

お見事ボギーフリー! 大槻智春が今季初Vをつかみとった(撮影:岩本芳弘)

<パナソニックオープン 最終目◇24日◇小野東洋ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7113ヤード・パー72>

14アンダー・3位タイからスタートした大槻智春が見事にツアー3勝目を挙げた。最終日は6バーディ・ノーボギーの「66」と完璧なラウンド。トータル20アンダーでトップとの2打差を逆転し、3打差をつけて逆転勝利を果たした。

この日は2番パー5で、アプローチが寄り切らなかったという5メートルのバーディパットをねじ込むと、続く3番パー3も決めて連続バーディとする。その後はパーを重ねる我慢のプレーが続いたが、折り返した後半10番パー4、11番パー5で再び連続バーディ。その後も15番、最終18番でもバーディを奪い、今シーズンの初優勝を決定づけた。

優勝会見に臨んだ大槻は開口一番「うれしいです」と喜びを口にすると、続けて「今季は調子が良くなくて、優勝争いするところからはだいぶかけ離れていたので、今週いい形で終われたらベストだなって。優勝する、しないは始まる前はまったく意識はしていなかった」と、無欲の勝利だったことを明かした。

「前半すごく風が強い中でノーボギーでこれたっていうのは、うれしかったですね。なかなか結果につながっていないことがほとんどだったので、そこまで自分に期待してなかった。それがいい方向にいったのかなって思います」。セカンド地点とグリーン上で感じる風の強さも違うという難しいコンディションのため、出だしの1番ではこの日一番のピンチだったというグリーンオーバーのミスもあったが、2メートルの距離を沈めて見事にパーセーブ。その後は風の読みを修正できたことも勝利の一因にあげた。

途中のスコア状況では、当然優勝の二文字は意識するところだが、「本当は前半の時点で(スコア)ボードは見たかったんですよ。ボード自体があまり置いてあるところがなくて確認できなくて、ハーフターンの時に自分がトップにいることを確認できた。ただ、まだホール数もあったので痺れるとかはなく、普通にプレーできました」と、最終組のひとつ前でプレーする状況の中、2打のリードを保って最終ホールのティショットが打てたことで、最後までプレッシャーを感じることなく走り切った。

さらに「久しぶりにいいゴルフが最終日にできた。それは今年できてなかったことなので、今回自信になりましたね」。これまで結果の出ない日々が続いたが、「自分の場合、練習というよりも、試合の中で調子を上げていきたい。その状況の中でいい球、いいリズムで振りたいというのがあるので、あまり特別な練習などはしていませんでした」と、今回の優勝が最高の良薬となった。

これでツアー3勝目を挙げたわけだが、「やっぱり勝つことって難しいなぁって改めて思いました。4勝目、5勝目というのは、また何かしらの難しさがあるのかなって」。最後は自分への戒めともとれるコメントを残した大槻だったが、これで目標としていた最終戦「ゴルフ日本シリーズ」への出場が確定。「これで後半戦も日本国内で出るか、アジアツアーに行くかを考えています」。今後の選択肢も広がった形だ。

今回の優勝で賞金ランキングは9位に浮上。副賞の家電もゲットして「うれしいですね。ちょうど掃除機を買おうと思っていたので。エアコン、空気清浄機は一年中つけっぱなしです」とプライベートも充実しそう。今季2勝目へ向けて、視界は明るい。(文・土屋裕一)

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